
京都のミシュラン三ツ星「未在」へ再訪することができた
ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、京都・円山公園の敷地にあるミシュラン三ツ星の茶懐石の名店「未在」をお届けする。前回雪が舞う2月の訪問だったが、今回はうだるような暑さの8月の訪問だ。今回もどんな体験が待っているのかわくわくだ。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント

滞在先のリッツ・カールトンで未在までタクシーを手配すると、「未在、素敵ですね、どうぞいってらっしゃいませ」と送り出していただく。
少し渋滞していて、到着したのは一番最後だった(遅刻はしていないぞ)。
さて、食事中の撮影は禁止なので、今回もまた五感を研ぎ澄ませて未在と向き合う時間だ。写真は食事の後に撮らせていただいたものだ。





今回も至福の時間だった。残すことなく食べきった自分を褒めたい(笑)とはいえ、前回の経験から全体の構成がある程度わかっていたので、前回よりも余裕をもって終えることができた気がする。
さて、お弟子さんたちにお見送りをしていただく。真っ暗な丸山公園に灯る提灯が風流だ。日が落ち、幾分過ごしやすい。
送り火はすっかり終わっており、精霊たちがいなくなった京の街を散歩してホテルまで帰ることにした。

時期:Summer 2025
記憶の一皿
前回は雪が舞う2月の訪問だったが、今回は酷暑の8月、五山の送り火が行われる日に訪問させていただいた。説明を聞いてメモを取ろうとするのだが、いかんせん食材の種類も多いし、説明も難しいし、なにより料理の美しさに見とれていると、全然追いつかない。箇条書きのような説明で申し訳ないが、8月のコースを簡潔に。
向付は蓮根の水玉寄せ。大きな蓮の葉の真ん中のくぼみにつるんとしたピンクの半透明な水玉。それはまるで雨雫がぽつんと一粒滴ったようななんとも涼しげで、一番印象的だった。送り火の日にぴったりの美しい一皿。
そしてやはりお造りがとにかくうまい。今回は剣先烏賊、目一鯛、鮪、鱧、縞鯵。鱧には梅肉や新生姜、鯵には九条ネギをあわせて。この造りを食べるだけでもはるばる未在に来る価値がある。
煮物椀はあわびと湯葉。江戸時代の望月玉渓絵付けの椀が美しい。
焼き物は奥出雲の黒毛和牛をカナダのメープルソースで。付け合わせには鷹峯とうがらしやインカのめざめ、11種類の無農薬野菜と6種類の野草から構成。
箸休めは熊川のすっぽんの冷たい茶碗蒸し。すっぽんの卵を初めて食べたがちょうちんみたいなぷちっとした食感が愉しい。永楽善五郎の美しい吹墨。戦前のものだそう。
そして山場の八寸(笑)。鱧の玄米揚げ、鰻の印籠煮、桃のみじんこ揚げなど目にも愉しい逸品が並ぶ。鮎の塩焼きは天然の蓼酢と合わせて。鮎と蓼酢の苦みの層が広がる。風流ですねえ。
焚合いには、賀茂茄子に胡麻のあんかけ、信田巻き。この辺になると酔いもまわってメモの取り忘れも多いな。。
そして、強肴。このパートものすごく好きだ。今回は明石蛸、毛蟹とすだちジュレ、時知らずと実山椒。日本酒が一層進んでしまう。
香の物、ごはんで食事は終わり。
ここから主菓子。店主の石原さんが立ててくださった抹茶と本わらび餅。
そして最後は冷菓。最後と言っても冷菓だけで3つあるのだが(笑)
桃のコンポートとデラウェア、4種のぶどう(シャーロット、シャインマスカット、ナガノパープル、富士の輝)の食べ比べ、そして本当の最後の79種類のフルーツカクテルだ。
今回もとても貴重な体験だった。料理そのものももちろん美味しいのは当然だが、器や空間、設え、もてなし、その文化体験こそが未在たる所以なのだと改めて。一斉スタートだし、食事はお店のスピードで提供されるので、そういったスタイルが苦手な方は合わないかもしれないが、お店主導の進行も未在らしさの一つではないだろうか。
未在とあわせて行きたいホテル
未在に行くときに宿泊したいホテルは、ザ・リッツ・カールトン京都だ。まず前提として夕食がついている旅館は避けるべきだ。そして未在はとんでもなくお腹がいっぱいになるので、食後タクシーを呼ぶことも可能だが、円山公園を散歩しながら帰るのが個人的には好きだ。リッツ京都は未在からだと徒歩30分くらいなのだが、これがちょうどいい距離。鴨川の夜風に当たりながら歩く時間もまた特別だ。滞在レビューもぜひ参照してほしい。
もし、歩くのが嫌という方は「長楽館」も良い。こちらは未在と同じく円山公園の中にあるので、徒歩数分で帰ることができるぞ。
せっかく未在に行くのなら、この時ばかりはホテルもすこし贅沢にしたくなる。
未在が気になるあなたに向けた予約方法
未在は予約困難店だが、最近は食べログでもキャンセル枠が解放されるようになってきており、予約が取りやすくなっているようだ。いや、キャンセル枠ではなく、あえて一般枠を作っているのかもしれないな。完全紹介制にしてしまうとミシュランの対象外になってしまうから。真実はよくわからないが、行ってみたいと思っている方はチャンスだ。
レストラン基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| レストラン名 | 未在 |
| 予算 | 80,000~100,000円/人 |
| 所在地 |
〒605-0071 京都府京都市東山区八坂鳥居前東入円山町618 |
終わりに&次回予告
未在、いかがだっただろうか?
実は近々3度目の再訪させていただく。すっかり未在のファンだな。
ごちそうさまでした。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回は東京・赤坂の1 Hotel Tokyoのダイニング「NiNi」だ。
ついに日本に開業した1 Hotelだが、早速ダイニングに行ってきた。
配信は2026年3月28日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。




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