ようこそ、この静かなホテルのロビーのような場所へ。
名前も知らない誰かの一日が、ふと交差する瞬間がある。
それがたとえ一度きりのものだとしても、
このブログが、あなたの記憶の片隅に残る小さな灯りになれたなら、それ以上のことは望まない。
ここは、筆者シングルマンの旅とホテルの記録だ。
でもそれは単なる記録ではなく、
ときに詩のように、
ときに独り言のように、
旅の匂いや空気ごと綴っていく、ひとつの“私的な風景”でもある。
シングルマンの素性
1980年代に生まれ、東京という都市に根を下ろしつつ、ひとりの時間を何より大切にして生きている。
独身であることに、悲壮感も誇張もない。
ただ、自分の心地よさを選んできた結果、気づけば、”シングルマン”という言葉がしっくりくるようになっていた。
コリン・ファース主演の『シングルマン』という映画が好きだ。
あの静謐で、どこか張りつめたような世界観に惹かれた。
自分の暮らしや感性の端っこにも、あの映画のような冷たい光とやさしい孤独が、少しだけ宿っている気がする。
仕事は少し風変わりだ。
公認会計士であり、デザイナーでもある。
論理と直感、構造と余白。
そんな相反する要素を行き来する毎日を送っている。
数字の中に美しさを見出したり、一枚の写真に論理の構図を見つけたりすることが、どうやら得意らしい。
ホテルへの偏愛と、ブログというかたち
ホテルが好きだ。
静かに閉じた扉の向こうに、非日常の空間と時間が広がっていることに、いつも胸が高鳴っていた。
好きが高じて、ホテルで働いたこともある。
某星〇リゾートで住み込みのアルバイトをしたり、会計士としてホテル業界に携わったりもした。
仕事として、生活として、感情として——
ホテルは自分にとって、もはや“場所”ではなく“物語”なのだと思う。
このブログでは、そんな物語たちを綴っている。
右脳で感じた空気を、左脳で分析し、そこにホテルへの愛という名のスパイスを加えて、ひとつのレビューに仕立てていく。
ホテルの評価は数値で終わらせたくない。
たとえば、「窓から見えた朝の光のやわらかさ」や、「ロビーに流れていた音楽のテンポ」まで、旅人の視点でそっとすくい上げたい。
この場所が目指すこと
このブログは、情報を並べる場所ではなく、“旅を想う”時間を届ける場所でありたい。
旅の計画を立てているとき。
ふと遠くを想いたくなった夜。
日常に少し疲れた昼下がり。
そんなときに、そっと立ち寄れる場所であればと思っている。
コーヒー片手にページをめくるように、
あるいはホテルのラウンジで人の声を聞き流すように、
このブログを読んでもらえたら、それがきっと正しい楽しみ方だ。
もし、どこかのホテルで同じ朝の光を見ていたとしたら——
きっと、僕たちは同じ旅をしているのだと思う。