
船から見る白夜の美しいグラデーションが忘れられない
ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、スウェーデン・オスロとフィンランド・ヘルシンキをつなぐクルーズ船「バイキング ライン」の滞在レビューをお届けする。飛行機で移動することも考えたのだが、少し風情のある旅もいいな、と思い船を選択してみた。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント
夏の北欧、いつまでも沈まぬ太陽。
白夜が遠く水平線を燃やす。
波にゆられながら、何かがほどけていくのを感じる。
これは移動ではない、小さな再生の旅だ。

ストックホルムからバスで船着き場へ。
間近で見る船体は思いのほか巨大で胸が高鳴る。
チェックインを済ませて乗船だ。
部屋に荷物を置いて、そのまま甲板出るとちょうど出航の時間。
ストックホルムのカラフルな街並みと綿菓子のような雲が流れていく。
ああ、旅をしているのだな。

部屋に戻ってひといき。
広くはないが、ひとりで快適に過ごす十分な広さ。
上層階だからか揺れもほとんど感じず、静か。





シャワーでさっぱりしたら夕食へ。
食事はブッフェを。
会場は多くの乗客でさながらパーティーのよう。
たくさんの種類の料理が並び目にも愉しい。
全種類食べるのは食いしん坊の私でも無理だ。
オーシャンビューの席でまずはひとりビールで乾杯。遠くには虹。なんだか一緒に乾杯してもらったような気分だ。

食事のあと、部屋でスパークリングワインを飲んていたらそのまま寝落ちしてしまったようだ。
気が付くと夜中の1時。
眠気眼で外に出ると冷たい風が頬をたたく。
そのまま甲板へ上ると、眠気も吹き飛ぶ光景が広がっていた。
それは水平線を赤く燃やす沈まぬ太陽。
真夜中とは思えない幻想的な景色に寒さも忘れてシャッターを切った。

朝起きると、もうヘルシンキは近い。
時期:Summer, 2025
部屋:Seaside Premium Promenade
シングルマンシュラン(5つ星評価):🌟🌟🌟— 7.2 / 10 Decent
シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟 : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル(中立評価)
🌟 : その国/地域を訪れても選ばないホテル(ネガティブ評価)
※詳細な評価基準についてはこちらをご参照してほしい。
夏の時期、水平線まで遮るものがないここでは白夜になる。街中では、日は長いものの建物などがあるので、白夜ではなかったように思う。そういう意味でここは気軽に白夜を体験できる場所だ。夏にまた訪れる機会があれば、乗ってみるのもありだと思う。
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:3点
移動も兼ねている、という点を考慮すると悪くない選択だと思う。しかも夜中に移動するので、時間も無駄にならない。飛行機+ホテル代と比較するとむしろこちらの方が安いケースもあるだろう。
なお、ストックホルムとフィンランドを行き来するフェリーはバイキングラインの他にタリンク&シリヤラインもある。タリンク&シリヤラインには乗っていないので詳細は控えるが、価格はバイキングラインの方がややリーズナブル。一方シリヤラインの方が高い分、船自体が新しくやや豪華。マリメッコ仕様のキャビンもあったりするようなので、好みで選べばよいだろう。所要時間はおおむね同じだ。
アクセス:3.5点
出発地点は、中心地から少し離れているが、オスロ中央駅から出ているフェリーターミナルまでのバスを使うとアクセスも楽だ。予約時点で、バスのオプションも購入しておこう。オスロの到着地点からオスロ中心地までは徒歩でもアクセスできる距離だ。飛行機を使う場合の空港に行く手間を考えるととても気軽。
ソロフレンドリー:3点
一人で優雅な船旅、というイメージとは少し違うかもしれない。パブリックスペースは年齢制限がある場所を除き子供たちで溢れておりとても賑やか。時期もあったかもしれないが、とても混雑しており、とくにディナーのブッフェレストランはお祭り状態(とはいえ、座席は事前に予約されているので待つ必要はない)。
部屋は隣室の音も聞こえず静かなので、一人の時間を楽しみたい方は部屋か夜の甲板(ただし夏場でも寒い)がおすすめ。
キュイジーヌ:3.5点
夕食と朝食を利用。
複数のレストランがあるが、夕食はブッフェ、朝はプレミアムキャビン客専用のブッフェを利用。上述の通り、夕食のブッフェはとても混みあっているものの事前に座席を予約するシステムなので、待つ必要ない。少人数であれば、窓側の席を指定することも可能。ブッフェはサーモンやニシン、ミートボールなど北欧らしいメニューのほかその場で切ってくれるローストビーフなどとても充実している。味も悪くなく、ワインやビールも飲み放題で北欧の物価を考えるとお得だ。
朝食もブッフェなのだが、今回はプレミアムキャビン客専用の会場なので、夕食と比べると品があり落ち着いている。取り合いにもならない(笑)こちらも窓側の席を案内されて、スパークリングワインをすすめられたので朝から一杯いただくことにした。なお、これも料金に含まれている。
クリーンネス&ファシリティー:3.5点
船全体に全体的にやや古さを感じるものの、ネット上で一部、「ボロい」「揺れがひどい」というコメントを見たのだが、それは感じなかった。
部屋に関しては、ボトムの場合はかなり狭い上、窓もない低層階になってしまうため、アップグレードし、上層階でやや広めの外が眺められる窓付きの部屋にしたが、メインデッキに通じる通路を挟んで海なので、窓を開けていると普通に乗客から丸見えになる。もちろん窓があるだけで開放感はかなり違うし、メインデッキに出るのも楽なので、良い選択だったと思う。ベッドもダブルサイズでぐっすり眠ることができた。
ホスピタリティ:3点
基本的に接客らしい接客はない。チェックインも機械でセルフチェックインで、船に乗り込んだ後は、スタッフに案内されるわけでもなく、チケットに記載された部屋に自分で部屋に行く。スタッフと接したのは朝食時くらいだが、その時はフレンドリーな女性で快適に過ごすことができた。
なお、冷蔵庫の中のアルコール類含むドリンクはすべてインクルードされている(もしかしたら客室のグレードによるかもしれないので要確認)ので、寝酒によかった(もちろんバーもあるし、ショッピングエリアで購入することも可能)。
センス&ユニークネス:2.5点
バイキングライン自体は、クルーズ船というくくりでは、一般的なものではないだろう。ほかにクルーズ船に乗ったことがないので比較はできないが、豪華といえるほどでもなく、何か特別なストーリーがあるわけでもない。ただ、やはり日本人の自分にとって、航海している北欧の海は非日常そのものだ。夏至の時期、太陽はいつまでも沈まず幻想的な景色を見ることができる。ぜひ夏に乗る機会がある方は、夜中誰もいない甲板に出てみてほしい。街中では見られない美しい景色に出会える。
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ホテル基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ホテル名 | Viking Line “Cinderella” (ストックホルム〜ヘルシンキ) |
| 船の特徴 | 1989年建造。スパ、ナイトクラブ、レストランなどを備えた大型クルーズフェリー |
| キャビン種類 |
|
| チェックイン/チェックアウト | チェックイン:15:30~/チェックアウト:翌日朝10:30頃 |
| 食事・施設 |
|
| アクセス(乗船港) |
ストックホルム:Stadsgården Terminal(スタズゴーデン港) ヘルシンキ:Katajanokka Terminal(カタヤノッカ港) |
| 所在地(ストックホルム港) |
Stadsgården 6, 116 45 Stockholm, Sweden |
終わりに&次回予告
バイキング ライン、いかがだっただろうか?
沈まぬ太陽がいつまでも心に焼き付いている。
クルーのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

それでは、また次回お会いしましょう。
さて、次回はフィンランド・ヘルシンキのホテル「ホテル セント ジョージ」だ。アートに彩られた静謐なホテルだ。
配信は2026年2月7日予定だ。
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