世界のホテル滞在レビュー#22|エトヘム in スウェーデン|心が還る”家”で

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スウェーデン
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日常の暮らしがすべて美しい詩になる場所、それがエトヘムだ

ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。

今回は、スウェーデンのストックホルムにあるホテル「エトヘム」の滞在レビューをお届けする。エトヘム、ここはずっと恋焦がれていた宿だ。北欧への旅はここに泊まることが目的だったといってもいい。行く前から期待がこれでもかというほどに高まっていたが、その期待を軽々と超えてくる滞在体験が待っていた。

それでは、行ってきます。

旅のフラグメント

それは「家」という名のホテル。
焼き立てのケーキの匂い、風に揺れる窓辺のレース、パチパチと歌う焚火の音。
エトヘムは、何気ない“暮らし”の詩だ。

閑静な住宅街にひっそりと溶け込むように佇むエトヘム。
ホテルというより、大きなお屋敷。
小さな表札を見つけてようやく、ここが目的地だと気づく。

門は閉ざされ、ゲスト以外は入れない。
胸を高鳴らせながらチャイムを鳴らすと、
名前を告げた先から、笑顔のスタッフが姿を現し、美しい庭へと迎え入れてくれた。


その瞬間からにエトヘムの魔法にかかってしまうのだ。

中庭を抜け、邸宅のリビングへ。
北欧の名作チェアに腰を下ろすと、すぐにウェルカムドリンクが運ばれてくる。
「ようこそエトヘムへ」
そう言って差し出される手に驚きながらも握手を交わす。
海外のホテルで握手をすることはほとんどない。
けれど、このたった一つの仕掛けが、“ここへ帰ってきた” という感覚を強くしてくれるのだ。

部屋に行く前に、先ほどの彼女が邸宅を案内してくれる。
いくつものリビング、キッチン、テラス、サンルーム――
どこを切り取ってもあたたかく、穏やかで、美しい空気が流れている。
「ここはあなたの家。好きに使ってね」

滞在するのは最上階の部屋。
三角屋根に沿った壁が、部屋裏部屋のようで秘密基地のようでもある。

夏は動かない暖炉が、冬に訪れたときの物語を静かに想像させる。

窓の向こうに広がるストックホルムの街並み。
遠くの教会の鐘が、静寂にそっと響く。

真鍮がきらめくバスルームには、フエギアの香水「Ett Hem」。
ひと吹きすれば、自分とエトヘムの境界が溶けていく。

ひと一休みしたら、さっそくこの邸宅を冒険してみる。
気分はもうもうすっかり自分の家だ。
本、おもちゃ、アート、花、アンティーク・・美しいもので溢れた宝箱のような空間。
非日常を際立たせるため、極限まで削ぎ落とすミニマル・ラグジュアリーとは真逆。
ここには “豊かさの体温” がある。

夏至のストックホルムの日は長い。

エトヘムのダイニングでの夕食を終えた後も外はまだ明るい。22時頃になってゆっくりと暗くなり始める。

すると、邸宅にオレンジの灯りがふわりと灯り、
昼とは違うあたたかな気配に包まれる。

出かけていたゲストたちも戻り、
リビングでは自然と小さな会話が生まれる。
ワインを片手に旅人と語らう夜もいい。
けれど、だからこそ思う。
ここは “日常” がそのまま詩になる場所なのだと。

部屋に戻ると再び静寂に包まれる。

ターンダウンで生けられていた小さな花。

もしかするとここに来る前だったらこの小さな存在に気付きもしなかったかもしれない。

けれど今、この小さな存在を確かに愛おしく思っている。

それでは、良い夢を。

朝、貸し切りのサウナでたっぷりと汗を流した後、
中庭に面したテラスに出て、冷えたビールでのどを潤す。
ソファに身を沈め、微風に吹かれれば、天国の完成だ。

宿帳には、旅人たちの想いに溢れている。
思わず私もペンを手に取って
いた。

名残惜しいが、出発の時間だ。
ここはもうひとつの私の”Ett Hem”
また必ず帰ってくる。

時期:Summer, 2025
部屋:Double Deluxe Room

シングルマンシュラン 🌟🌟🌟🌟🌟— 9.8 / 10 Unparalleled


シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル(ポジティブ評価
🌟🌟🌟🌟  : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル(ポジティブ評価
🌟🌟🌟    : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル(ポジティブ評価
🌟🌟    : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル(中立評価
🌟      : その国/地域を訪れても選ばないホテル(ネガティブ評価

※詳細な評価基準についてはこちらをご参照してほしい。


スウェーデンで最高の、いや、世界でも屈指のホテル。

「一番好きな宿は?」と聞かれたら、私は迷わずエトヘムを挙げる。ここに泊まるためにストックホルムへ行く価値がある。できれば2泊以上。そして1日は、何も予定を入れない日をつくってほしい。

帰国後、ふとした瞬間に心がエトヘムへ還っていることに気づくだろう。滞在後の余韻まで美しい。ここは、そういう場所だ。

評価詳細(各5点満点)

コストパフォーマンス:3.5点

6,100SEK〜(現在のレートで約10万円)と、決して安くはない。だが一度体験すれば、その価格はむしろ穏当だと感じるはずだ。同価格帯のストックホルムのホテルと比較すれば、体験の密度は明らかに違う。

さらに年間を通して価格変動が比較的少ないのも好印象。夏季はやや上がるが、過度ではない。“高い”のではない。“価値が濃い”のだ。

アクセス:4点

中央駅から徒歩30〜40分。歩けなくはないが、トラムや地下鉄利用が現実的。立地は閑静な住宅街。治安も良く、美しい街並みが続く。ここは観光地の中心ではない。だからこそ“家”として成立する。

ソロフレンドリー:5点

滞在中、心がほどけていく感覚があった。多くのラグジュアリーホテルでは、どこかに緊張が宿る。
だがここではそれがない。

ひとり旅特有の静かな寂しさも、不思議と感じない。スタッフもゲストも、絶妙な距離で存在してくれる。近すぎず、遠すぎず。

ぜひ、この家の“友人たち”と会話してほしい。それがこのホテルの体験の一部だから。

キュイジーヌ:4.5点

朝食と夕食を利用。どちらも特別な体験だった。詳細は下記のリンクから。滞在中は外のレストランへ行く必要はない。食も含めてエトヘムなのだ。

朝食夕食以外の時間であってもリビングやキッチンには常にお菓子が置かれている。焼きたてのケーキは驚くほど美味しい。さりげなく置いてあるワインやビールはセルフで注ぎ、ノートに記入しておく(そうすると後で精算される)。そのさりげない仕組みが、この家の自由さを象徴している。

〇エトヘムの夕食と朝食

クリーンネス&ファシリティー:5点

エトヘムは、ホテルの概念を覆す。

エトヘムには、リビング、ライブラリー、キッチン、ガーデン、テラス・・・多くの共用部がある。もちろんこういった共用部はラグジュアリーホテルであれば備えていることも多い。しかしエトヘムが違うのは、自分の部屋とこれらの共用部の境界が極めて曖昧なのだ。普通のホテルであれば、ホテル全体を自分の家だと認識することはまずない。しかし、エトヘムにいると自分の部屋だけでなく、この邸宅全体を自分の家だと錯覚するような意識の拡張が起きる。この拡張こそが、エトヘムがエトヘムたる所以だろう。そしてこれは偶然に起こることではなく、エトヘムの緻密な設計思想によるものだ。

特に印象的な空間だったのはサウナだ。貸し切りタイプなので、広々とした空間の静寂を独占できる。照明が落とされ、無音の空間はとても瞑想的でエトヘムの中にあっては少し異質な場所だ。自らロウリュして、たっぷり汗をかいた後は、頭から水をかぶって、中央に配されたホットストーンの上でじんわりと温まる。滞在中は朝と寝る前に欠かさず訪れていた。ぜひ試してみてほしい。

ホスピタリティ:5点

エトヘムの核をなしているのは間違いなく人だ。スタッフがとにかく素晴らしいのだ。

すれ違うたびに自然な言葉が交わされる。「今日は最高の天気ね」とか「その指輪、すごくいいね」とか。飾っている絵を眺めていると「その絵面白いよね、私も好きなの」とか。何気ない、けれども家族や友人に話しかけるようなあたたかなもの。それは形式的な会話ではなく、スタッフ一人ひとりの持つホスピタリティから生まれるものだ。彼らはゲストを”顧客”ではなく、”友人”として迎える。

エトヘムの面白い仕掛けの1つは、邸宅への出入りの方法だろう。エトヘムは常に玄関の門に鍵がかかっているので、自由に出入りすることができない。外出するときは、かならず鍵を預けて門を開けてもらわなければならないし、帰ってきたときはチャイムを鳴らして門をあけてもらう必要がある。つまり、必ずここでスタッフとコミュニケーションが生じるようになっているのだ。わざわざ面倒とも思える手間をかけさせることで、お互いに顔見知りになる仕掛け。それはまるで、友人を自宅に招き入れる行為と見送る行為。やはりここは”ホテル”ではなく”家”なのだ。

センス&ユニークネス:5点

エトヘムは1910年に建てられた邸宅をリノベーションしたホテルだ。そしてそのデザインを手がけたのは英国人イルゼ・クロフォード(Ilse Crawford)だ。彼女の素晴らしいセンスによって、ある意味ものに溢れている空間が、完璧な調和をもって成立している。奇をてらったり、押しつけがましいセンスではなく、ゲストがリラックスして日常を過ごすことができるセンス。日常でありながら、詩のような美しさが潜む。

そして、花。リビング、キッチン、テラス、部屋・・・あらゆる場所に花がセンス良く生けられておりそれがよりエトヘムを生き生きとした美しい空間にしている。しかも、観察していると毎日花が変わっている。花は手間がかかるし、しおれたり枯れたりしたらむしろ空間を損ね、逆効果になってしまうためホテルでは扱いが難しいが、エトヘムでは、専任のフラワーアーティストが毎日手入れをしているため、美しい状態が保たれているのだ。

エトヘムが気になるあなたに向けた予約方法

エトヘムのことが少しでも気になっていただけたら嬉しい。

そんなあなたのために私がオススメする予約方法を記しておく。それは以下の4つの大手予約サイトからの予約だ。各大手予約サイトのロゴをクリックすれば直接ホテルページにアクセスできるので、どなたでも簡単に、そしてお得に予約ができる。ぜひ利用してほしい。

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※予約サイトの考え方についてはこちらで整理しています。


ホテル基本情報

項目 詳細
ホテル名 Ett Hem(エトヘム)
宿泊料金 6,100 SEK〜/泊(時期により変動)
客室数やタイプ 22室。各室異なるデザイン。
食事 専属シェフによる家庭的なダイニング体験。キッチン、ダイニングルーム、ガーデンで提供される季節の料理。
チェックイン/チェックアウト時間 チェックイン:15:00〜/チェックアウト:〜12:00
特徴的な設備やサービス
  • アール・アンド・クラフツ様式の邸宅を改装した空間
  • ライブラリー、温室のようなガーデンラウンジ、サウナ
  • 「自宅のように過ごせる」設計思想と温かい接客
所在地 Sköldungagatan 2, 114 27 Stockholm, Sweden

アクセス
  • 地下鉄「Tekniska högskolan駅」より徒歩約7分
  • ストックホルム中央駅から車で約10分
  • 閑静なÖstermalm地区に位置し、美術館やショッピングにも好立地

終わりに&次回予告

エトヘム、いかがだっただろうか?

この記事を書いていると今すぐにでも帰りたくなってくる。いや、心はすでにストックホルムだ。

ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。

この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。


さて、今回お届けしたホテル「エトヘム」のダイニング「Sköldungagatan 4」だ。

このダイニングもまたエトヘムのコンセプトを体現した最高の場所だ。

配信は2025年12月20日予定だ。

できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。

それでは、また次回お会いしましょう。

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