
長年恋焦がれたカンダラマ。あなたに会うためにスリランカに来たのだ。
スリランカのダンブッラにあるホテル「ヘリタンスカンダラマ」の滞在レビューをお届けする。
偉大な建築家ジェフリー・バワの代表作であり、森と一体となった美しきホテルだ。
それでは、行ってきます。
シングルマンシュラン(5つ星評価):🌟🌟🌟🌟🌟
総評
再訪の可能性
当然Yesだ。
連泊したが、見どころが多すぎるホテルで、まだ足りない。全然足りない。
境界なき空間に佇むと、自分の内側と外側の境界もゆるやかに解け合っていく。
凝り固まった心がほどけていく、そんな感覚。
次回はただただこのホテルに篭って美しい建築と自然を堪能したい。
こんな方にオススメしたい
👉唯一無二のホテルを探している方
👉ジェフリーバワの最も有名な建築を満喫したい方
👉ラピュタの世界観が好きな方
滞在Tips
部屋の種類が多く、部屋選びがキモ。
後述するルームカテゴリーを参考に部屋を押さえよう。
ホテル基本情報
- ホテル名: Heritance Kandalama / ヘリタンス カンダラマ
- 滞在時期: Summer, 2024
- 所在地: 国名:スリランカ、都市:ダンブッラ
- 滞在部屋タイプ: シーギリヤ・ウイングのデラックス
- 参考宿泊料金: (ローシーズン)30,000円~、(ハイシーズン)40,000円~
- 公式HP
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:4点
この素晴らしいホテルにこの価格で泊まれるのはありがたい限りだ。
ただやはり1泊では勿体ないので最低2泊はしたいところ。
アクセス:2点
スリランカの丁度中央部分に位置しており、コロンボから車で4~5時間とアクセスは悪い。
列車やバスを乗り継いでも行けるが、この場合は通常キャンディなどで1泊することになりさらに時間がかかるため、車で行くのがおすすめ。
車の場合の留意点としてはヘリタンス・カンダラマの周辺は道が舗装されていないので、最後15分くらいは車がかなり揺れるため酔いやすい人は注意が必要。
なお、多くのバワ建築が、西から南の海岸沿いにあるが、ここだけ外れた場所なので、バワ建築巡りをする場合は順序をしっかり計画すべき。
シーギリヤやダンブッラ石窟寺院が比較的近いので合わせて予定を組みたい。
ソロフレンドリー:3点
全152部屋とやや大きめのホテルなので、団体客が多い。
特に中国人のツアー客が押し寄せているようで、20~30人の団体客がいくつもいるような状態。
当然、レストランは騒々しく雰囲気が台無し。
ただ、レストランは一人、または二人の宿泊者に湖を一望できる眺めの良い窓側の席を割り当てているようなので、良い席を取られることはない。
また、団体客は建築にはあまり興味がないのか、共用部は驚くほど静かで、一人でもリラックスして過ごせる。
キュイジーヌ:3点
朝夕ともにブッフェのみ(ランチはアラカルトでオーダーできるレストランがある)。
さらにカンダラマは森の中にポツンとあるので、街に出て食べるという選択肢はなく、ここで食べざるを得ない。
味は悪いわけではないし、メニューも日によって変わるが、連泊した時に毎日ブッフェはやや食傷気味になってしまうだろう。
なお、洞窟の中で食事を楽しめるcave dinnerというオプションもある。
クリーンネス&ファシリティー:4点
とても清潔に保たれている。
後述するが、このホテルは壁がなく、森に覆われている。
そのため、外からは落ち葉が入ってくるし、猿も敷地内を闊歩している。
そのような環境なのに、廊下に落ち葉や猿のフンが落ちていない。
雨が降っても廊下がびしょびしょになっていない。
これはひとえにホテルスタッフの清掃のおかげだろう。
(正確に言うと、テラスに猿のフンは落ちていたが、すぐに掃除されていた)
ホスピタリティ:4点
ホテルのマネージャーにバワが好きだと伝えると、実際にホテルを案内しながら見どころを教えてくれた。
普通入れないバックヤードも見せてくれたり、とても親切にもてなしてくれた。
他にも、館内を歩いていると、「写真撮りましょうか?」と声をかけてくれたり、他のスタッフも総じて親切な印象だ。
センス&ユニークネス:5点
境界なき建築。
建物には壁がなく、そとの自然と繋がっている。
長い時間をかけてホテルは蔦に覆われ、まるでラピュタの世界だ。
バワは長い年月を経たカンダラマの姿を思い描いて設計したのだろう。
このようなホテルは唯一無二で、ここでしか味わない特別な時間をもたらしてくれる。
このホテルに滞在するためだけにスリランカを訪問する価値がある。
ギャラリー
エントランス・ロビー・ラウンジ

外に向かって放射状に広がっており圧巻のスケール。


ここでも岩をそのまま残している。
自然をそのまま活かす、バワの哲学が垣間見れる。

確かにガンダラマの通路ととてもよく似ている。
バワがスリランカの自然や文化から大きなインスピレーションを受けているのがよくわかる。

バワお得意のアプローチ。

テラスからはガンダラマ湖が一望できる。

雨が降ると壁から浸みだしてくる水をそれを塞き止めるために作られた。
岩の隙間を潰すという選択肢もあったはずだが、
なるべく自然を残すというバワの意思が感じられる。
部屋

部屋の種類が多く特徴が異なるので、後悔がない部屋選びを!
ヘリタンス・カンダラマは横に1キロもある非常に大きなホテルで、
エントランスが中央にあり、左右にシーギリヤ・ウイングとダンブッラ・ウイングが伸びる。

シーギリヤ・ウイングは眺望の良い部屋を選べば、世界遺産シーギリヤが見えるが、
ダンブッラ・ウイングからは、世界遺産ダンブッラ石窟寺院は見えない。
そのため、シーギリヤ・ウイングの部屋をリクエストするのがおすすめ。
次に、カンダラマのルームカテゴリーは、スーペリア、パラノミック、ラグジュアリー、ラグジュアリーパラノミック、デラックス、スイート、ラグジュアリースイート、ロイヤルスイートの7つ。
後ろにいくほどハイクラスの位置付けだ。
カンダラマは眺望が見どころの一つなので、展望が良いパラノミックかデラックス以上(すべて展望が良い)の部屋がおすすめ。


蔦をつたい猿がしょっちゅう遊びにくる。


早朝は、陽を浴びた植物が落とす影が美しく森に包まれている気分に。

木が描かれているが見ると・・



の名前がシンハラ語で書かれているのだそう。

他のバリエーションもあるとか。
プール

全部で3つあるプールが素晴らしいので水着はマストで持っていきたい

遠くにシーギリヤも見える。
夕方になると笛吹きが現れる。


ここはバワらしい自然の岩石をそのまま用いている点が特徴。

非常にわかりにくい場所にある。
植物に覆われていない建物の側面が見えるため、建物の構造を観察するのに良い。
レストラン

このドアノブはバワの自宅、ナンバー11にも。

なおカンダラマは朝6時から夕方6時まで照明が使われない。
ホテルのどこにいても自然の光が入るため照明が必要ないのだ。
煌々とした明かりに慣れている日本人にとっては若干薄暗いと感じるかもしれないが、
こうした環境への配慮から見習うべき点も多いはず。

もちろんひとりでも案内してくれる。





肉や魚、卵料理がサーブされる。
空中庭園

空中庭園が素晴らしい!わかりずらいせいか、人が全然いない。

スパから外に出ると広々とした庭がある。

近寄っても気にする様子がない。

全景スポット

巨大な建築の全景を捉えられるスポットを押さえよう
前述の通り、カンダラマは横に1キロもある巨大な建築なので、なかなかその全貌を捉えることができない。
そこで、このホテルの全景を捉えることができる3つのスポットを紹介する。
うち2つはわかりにくい場所で、かつ、時間・時期によっては入れない可能性もある。
ホテル中央6階ラウンジの上

雄大な自然と一緒に捉えたい場合はここがベスト。

シーギリヤ・ウイングの奥1階

大雨に備えて高床のようにしている。
退廃的な雰囲気もまた良い。
ここを抜けて外に出ると・・

なお、ここは野生の象の通り道になっているため、
常時監視員がおり、朝と夕方以降は立ち入りできない。
必ず指示に従うこと。

ダンブッラ・ウイングの奥1階

手入れされた庭と一緒に撮影したい場合はここ。
その他共用部分

椅子、階段、アート作品・・共用部に何気なくあるものも見どころたっぷりだ
椅子

バワが気に入って座っていた場所。
眼前にはシーギリヤを望む。

お気に入りを探してみよう。

鳥の囀りを聴きながら身も心もリラックスできる。


階段

とてもシンプルだが、自然と重なった時にその美しさが際立つ。
猿も気に入っているよう。

直線フェチにはたまらない。

アート

チームバワとして、彼の建築に欠かせないラキ・セナナヤケ(Laki Senanayake)とエナ・デ・シルバ(Ena De Silva)のアート作品も見逃すな!

かなり巨大。

カンダラマが描かれていますが、まるで翼を広げた鳥のよう。
事務所エリアにあるものを特別に見せてもらった。

バワの自宅「ナンバー11」のものと見比べるのも面白い。

お得な予約方法
ヘリタンスカンダラマに少しでもお得に行けたらるんるんだよな。
私もそうだ。
基本的にはホテル公式と複数の大手ホテル予約サイトを比較して検討すれば間違いない。
大体は大手ホテル予約サイトの方がお得になるが、公式は独自のプログラムを提供している場合もあるので念のためチェックしておこう。
ヘリタンスカンダラマの場合、公式HPから予約できるが、運営するHeritance Hotelsでは特段プログラムを提供していないので、以下の大手ホテル予約サイトから予約するのが良いだろう。
agodaでヘリタンスカンダラマを予約する
終わりに
ヘリタンスカンダラマ、いかがだっただろうか?
長年恋焦がれた場所は、想像よりもはるかに素敵な場所だった。
あなたにもこの感動を味わってほしい。
ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。
〇評価基準についてはこちらをご参照ください。
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