
ホテル予約サイトってたくさんあってどれを使っていいかわからないよな。。
あなたは海外旅行するとき、どのように宿泊先を予約しているだろうか?
安心を求める方はHISやJALといった国内大手旅行代理店にパッケージでお願いするかもしれないし、リーズナブルさを求める方はAir b&bでプライベートホストの宿を手配するかもしれない。あるいは特定のホテルグループを贔屓にしている方は、そのグループのプログラムを使って予約するはずだ。
しかし、最近では、ホテル予約サイト(英語ではOnline Travel Agencies、以下OTA)を使っている方も多いだろう。
CMなどでも頻繁に流れているため、今やOTA戦国時代と言ってもいい。多くのOTAが乱立しているゆえに「いっぱいありすぎて何を使っていいかわからない」という方も多いのではないだろうか。
かくいう私も同じ悩みを持っていた。
そこで今回は、私が実際に利用してみた大手OTAの比較記事をお届けしたい。比較対象はExpedia、agoda、Booking.com、Hotels.comの4つだ。
この記事は特に以下のような方にオススメだ。
👉どのホテル予約サイトを使っていいかわからない方
👉お得なホテル予約サイトを知りたい方
👉ホテル予約サイトの仕組みを知りたい方
なお、この記事では海外旅行を前提としている。上記のOTAでも国内ホテルの予約は可能だが、国内ホテルの場合は、一休や楽天トラベルといった国内サービスを利用したほうがよいというのが私の考えだ(こちらは別途記事にする予定)。
ホテル予約サイトが公式予約よりもお得になる7つのワケ
「そもそもホテルの公式サイトで予約するのが一番お得なんじゃないの?」「公式よりお得に宿泊できるなんてなんか胡散臭い・・」と思っている方もいるかもしれない。
そんなあなたのためにまずは、OTAが公式サイトよりお得に宿泊できる仕組みをお伝えしたい。
仕組みをしっかり理解すれば、そのような疑念は払しょくできる。
OTAが持つ規模の経済
規模の経済とは、生産規模を拡大することで、製品やサービスの単位あたりのコストが低下する効果を指す経済用語だ。
OTAは何千、何万というホテルと提携し、大量の予約を取り扱うことで、ホテル側と価格交渉力を持ってる。
大量予約を提供する代わりに、ホテルに割引料金を求め、顧客にその価格を還元することが可能なのだ。
OTA独自の割引・キャンペーン
OTAは競争が激しいため、顧客を引き付けるために独自のプロモーションや割引を頻繁に提供している(例: 早期予約割引、アプリ限定価格、会員割引など。)
これらの割引はOTAが自ら費用を負担して価格を引き下げるケースもあり、公式サイトより安く提供できることに繋がる。
ホテル側のマーケティング戦略
ホテルはOTAに掲載されることで多くの顧客に露出できるため、一定の割引を提供してでも予約を獲得しようとする。
特に稼働率を高めたい時期や空室を埋めたい状況では、OTA向けの割引価格を設定することがある。
このようにホテル側のマーケティング戦略により顧客に価格を還元できる。
ダイナミックプライシング
OTAは高度な価格アルゴリズムを使用して、需要と供給に基づきリアルタイムで料金を調整している。
これにより、公式サイトの固定価格よりも柔軟かつ競争力のある料金を提示できる場合があるのだ。
OTAのパッケージ商品
OTAは航空券やレンタカーとのパッケージ商品を提供することで、単体予約よりも割引率を高めることができる。
これにより、ホテル単体の価格も見た目以上にお得になることがある。
国際的な価格設定(地域による差別化)
OTAは地域ごとに異なる料金を表示することがあり、ある国や地域のユーザーには特別割引を適用するケースがある(例: Agodaでは、アジアユーザー向けに特別価格が提示されることが多い。)
このようにグローバルに展開するビジネスモデルであるからこそ競争力のある価格を提供できる。
OTAのポイントやリワードシステム
OTAは予約ごとにポイントやキャッシュバックを提供するため、表面上は公式サイトと同じ価格でも、実質的に公式サイトよりもお得になることがある。
これらのプログラムについてはこのあと詳細に解説するするがExpediaは宿泊金額の数%をポイント還元しているし、Hotels.comでは、10泊ごとに1泊のフリーステイを提供したりしている。
公式サイトがホテル予約サイトよりも有利になる3つのワケ
OTAが公式サイトよりも安く提供できる理由をわかっていただけただろうか?
しっかりしたビジネスモデルに則ったものであり胡散臭いものではないことは伝わったのではないかと思う。
もちろん、公式サイトはOTAを通すよりも直接予約してもらった方が当然利益は高いので、OTAと連携しつつも「公式予約の方がお得ですよ」ということをアピールする。
実際に公式サイトがOTAよりもお得になるケースもあり、その理由を解説する。
公式限定特典
まず、最もシンプルなのが、公式サイトで予約すると、特典が受けられる場合がある。
例えば、朝食無料や、アーリーチェックインレイトチェックアウトといった特典が多い。
宿泊費を下げるという特典ではないが、+αのサービスを付与するものだ。
とはいえ、各OTAでも上級会員になるとこの特典を設けている場合があり、必ずしも公式だけの特典というわけではないことは頭に入れておこう。
価格保証
これは例えば公式が11,000円、OTAが10,000円で予約できるとしたら、公式も10,000円にしますよ、というものだ。
この価格保証は今や多くのホテルが取り入れている。
しかし、上述したOTA独自のリワードプログラムによって、見た目の価格は同じでも実際はOTAの方がお得になるケースもあるので比較する場合はこのリワードプログラムも考慮に入れて比較したい。
また、OTA側も価格保証を導入していたりするので、結局のところこの保証はあまり意味がないというのが私の見解だ。保険程度のものと考えておこう。
ロイヤリティプログラム
個人的に、公式を選ぶケースはこのロイヤリティプログラムが強力な場合だ。
例えば、Marriott Bonvoyのプログラムは、最も強力なプログラムの1つで、このプログラムの恩恵のため、Marriott系列のホテルしか泊まらないというユーザーも多い。
私もこのMarriott Bonvoyのプログラムは活用している。
このロイヤリティプログラムについては別途記事を書こうと思うので、そちらに譲る。
大手ホテル予約サイト徹底比較
ここまで、OTAと公式のプライシングの特徴を見てきた。
では次に大手OTAの特徴を比較する。
改めて、今回比較するのはExpedia(エクスペディア)、agoda(アゴダ)、Booking.com(ブッキングドットコム)、Hotels.com(ホテルズドットコム)の4社だ。
ざっくり特徴まとめ
1つのプラットフォーム上で旅行の手配を完結させたい方向けにデザインされている。そのためホテル、航空券、レンタカーなどを一括で予約でき、特にパッケージ予約で割引が適用される点が魅力。
特にアジア地域の宿泊施設を豊富に取扱っている。大都市では他のOTAとは大きな違いはないが、地方やニッチホテルになるとその強さがわかる。
宿泊施設の掲載件数が世界最大世界中の多様な宿泊施設を幅広く掲載している。検索画面での価格が税・サービス料込みで表示されるため安心して予約が可能。
大手チェーンから個人経営のB&Bまで世界中のあらゆる宿泊施設を幅広く取り扱い、後述する通り10泊すると次の1泊を無料にするユニークなサービスを展開している。
プログラムの比較
各OTAが展開する会員プログラムをシンプルにまとめると以下の通りだ。
Expedia | agoda | Booking.com | Hotels.com | |
無料会員値引 | ||||
最大値引 | ||||
ステータスアップ | ||||
ステータス維持 | ||||
その他特典 |
無料会員(初期ステータス)の値引率の大きさ
どのOTAも会員プログラムに登録しさえすれば、会員価格が適用される。
すべて無料なので、登録しない手はないだろう。いずれを利用する場合でもまずは会員登録はしておこう。
無料会員登録した時点で適用される割引率は、プログラムによって異なる。明示されていないものの10%以上(場合によっては20%以上)の割引率のExpedia、あるいは最初から10%の割引がされるBooking.comが強いが、ホテルによっても異なるため、比較してみるとよいだろう。
最大の値引率の大きさ
最大の値引きは基本的にはそのプログラム最高ステータスになった際に適用される。
その割引率は、agodaの最高ステータス「Platinum」で最大25%と最も高く、次いでHotels.comが「ゴールド」で20%以上、Booking.comが「レベル3」で10~20%となっている。
Expediaはステータスアップに伴う割引率に変化はないが、上述の通り無料会員時点で高い割引率となっている。なお、最高ステータス「ゴールド」を獲得することで付与されるポイント率が3%になる。
ステータスアップのしやすさ
ステータスアップをすることで、よりお得になるが、ステータスアップするための難易度はプログラムによって違う。
agodaが最も難易度が低く、わずか10件の予約で最高ステータスの「Platinum」を獲得できる。しかも宿泊だけでなく、航空券やアクティビティの予約も対象になるため非常に容易だ。
次点でBooking.comだが、こちらは15件の予約で最高ステータスのレベル3を獲得できる。こちらもフライト、レンタカー、タクシー、観光スポット・アクティビティの全予約が対象だ。
残りのExpediaは25件、Hotels.comは30件となっておりややハードルがあがる。またHotels.comに関しては、宿泊のみが対象となっている(そもそもアクティビティ等は扱っていない)。
ステータス維持のしさすさ
またせっかく獲得したステータスも維持ができなければ、また最初からやり直しになってしまう。
そのため、ステータスが維持しやすいかどうかは重要な視点だ。
この点、Booking.comだけは一度獲得したステータスは永久に維持されるため強力だ。
ただし、一度獲得したステータスが保持されるということはそのステータスを保持している人が増え続けるということを意味するので、そもそもステータスアップによる特典が多くなかったり、特典が改悪される可能性も高い点は注意しておこう。
次点のagodaは過去2年間で判定される。2年間で10件の予約でステータスを維持できるので、比較的容易と言えるだろう。
Expediaは暦年1年間での判定、Hotels.comは直近の宿泊日から過去1年間であるため、ややハードルが上がる。
その他の特典の豊富さ
ステータスアップや維持という点では、見劣りするHotels.comだが、10泊ごとに1泊無料になるHotels.comの特典が強力だ。Hotels.comは、この特典で実質的に+10%の割引を提供していることになる。
また、Expediaはボーナスポイントを導入しており、最高ステータスの「ゴールド」で支払額の3%(アプリ利用で更に+1%)のポイントを得られる。
その他の特典(アップグレードや朝食無料、レイトチェックアウトなど)はどのプログラムでも共通しているが、必ず適用されるものでもないためあったらラッキーくらいに考えておこう。
最もお得な海外ホテル予約サイトは?
これまで見てきたように各サイトともメリットデメリットがある。
だからあなたの旅のスタイルでベストなOTAは変わってくる。そのため自分の旅のスタイルをよく考えて自分にあったOTAを選ぼう。
以下では、旅のスタイルごとにオススメのOTAを提案しておく。
Booking.com:1年に1回程度しか海外旅行しない方にオススメ!
Booking.comはなんといってもやはり一度ステータスを獲得すれば消失しない点が強い。
そのため、そんなに海外に行かない方でもステータスを維持できるし、最初から割引率が高いので、1年に1回海外に行くか行かないかという方であればBooking.comで間違いないだろう。
agoda:アジアをメインに行く方にオススメ!
agodaはシンガポールの会社なのでアジアの掲載数やその価格に強みがある。
またステータス獲得&維持も容易であるため、アジアをメインに行く方にはagodaは非常に魅力的だ。
Hotels.com:長期滞在型の旅をする方にオススメ!
Hotels.comはステータス獲得や維持のハードルがやや高く、あまり海外に行かない方には正直向かない部分がある。
しかし、1予約ではなく、1泊ごとにステータス獲得のためのスタンプを獲得できるので、1回の旅が比較的長期になる場合は、選ぶ価値がある。
Expedia:パッケージで旅を手配したい方にオススメ!
個人的に万能型だと思うのがExpediaだ。
最初から高い割引率があり、航空券とのセットでの予約できるのも便利だ。もし上記の3つにハマらなければ、Expediaを選んでおけばよいだろう。
終わりに
本記事では「お得」、つまりはお金を最も節約できるという観点でおすすめのOTAを紹介した。
しかし、個人的には金銭的なメリットだけで選ぶ必要はないと考えている。UI/UX、カスタマーサービス・・そういったものも考慮に入れて自分の良いと思ったものを使うべきだ。
例えば、私のホテル滞在レビュー記事には、紹介したホテルをスムーズに予約できるように、上記OTAのリンクを載せているが、この記事で紹介したOTAで1つだけリンクを載せていないものがある。
その理由としては、そのサイトで最近(2025年)フィッシングの被害にあったことがあるためだ。公式からも注意喚起のアナウンスが出ているが、手口が非常に巧妙で被害者も多いようだ。
こういったユーザー体験がある以上、現時点ではいくら魅力的なリワードプログラムがあっても個人的には使いたいと思えず、また紹介したいとも思えない。
もちろん、他のサイトでも同様の問題が生じる可能性はある。ここで伝えたいことは、ベストなOTAは人によって違うし、金銭的なメリット以外の面も含めて見て欲しいということだ。
自分にとって最高のOTAがみつかれば、良き旅のパートナーになるだろう。
次回予告
さて、次回はホテル滞在レビューに戻る。
そしてその舞台は日本だ。とっておきの場所をお届けしたい。
配信は2025年2月15日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。
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