SINGLEMAN’S HOTEL LIFEへようこそ。 ホテルを起点に世界を旅し、その土地で出会った景色や建築、食や文化──そんな旅の破片を綴っている。
今回は、静岡は伊豆市修善寺にある旅館「あさば」の滞在レビューをお届けする。500年以上の歴史を持つあさば。日本の文化や伝統を継承しつつ、その地位に甘んじることなく時代に合わせアップデートしていく。凛とした佇まいでありながら、ゲストに緊張させることなくもてなす。私自身一番リピートしている宿で、大切な場所だ。
それでは、行ってきます。
ギャラリー
エントランス・ロビー


この青の暖簾も好きだな。


目にも涼やかだ。

能舞台にまた来させていただいたことをご挨拶。
部屋


山々の緑が美しい。

松風はこの景色が好きなんだよな。


本当によく眠れるのでぜひ体験してほしい。


もちろん源泉かけ流しだ。

食事
夕食
あさばで一番楽しみな時間はやはり食事だ。
決して映えるとかそういったものではなく、地味?とも思えるほどだ。
しかし駿河湾や天城山といった食材に恵まれた静岡の食材を丁寧に扱い繊細に仕立てられたお皿はどれも美味しい。
器へのこだわりも見逃せない。
季節ごとの名物料理もあるので、本当は季節ごとに行きたい。この時期は穴子寿司だな。















朝食
あさばは、朝食も素晴らしいんだよな。
高級旅館でも夕食は良かったのに朝食は「あれ?」となることがたまにあるから朝食まで完璧だと好きにならずにはいられない。
夕食と同じでどシンプル。干物とだし巻き、そして削りたての鰹節を炊きたてのごはんにたっぷりかけて。このシンプルさで勝負できるのはすごい。
いかん、思い出すだけでよだれが。。





ラウンジ
ラウンジも改修された部分。
より広々とした空間に生まれ変わった。
コーヒーや紅茶は無料で提供されており、あさばに関連のある日本文化や美術品のライブラリーも充実しているのでここでのんびり過ごすのも最高だ。

床に寝転がってごろごろしたい。


その他

池を探してみて

男女交代制だ。
別途内風呂であるが、貸切風呂もある。
Season – Summer, 2024
Room Category – 松風
シングルマンシュラン 🌟🌟🌟🌟🌟— 9.8 / 10 Unparalleled
シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル
🌟🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル
🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル
🌟🌟 : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル
🌟 : その国/地域を訪れても選ばないホテル
※詳細な評価基準についてはこちらを参照してほしい。
※これまで訪れた全ホテルのレビュースコアをまとめたものはこちらを参照してほしい。
空間、もてなし、料理、歴史・・・その全てがあさばが最高峰の旅館であることを示している。あさばが旅館の基準になってしまっているが、ここを超える旅館は今のところ見つかっていないし、これからも変わらないだろう。大切な日にはいつでもここに戻ってきたい。
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:3.5点
昔に比べると価格は上がっている。しかし、それは多くの旅館がそうなので仕方ないし、あさばの場合は、改修を行っており昔はあったコンパクトな部屋や内風呂なしの部屋がなくなり、現在は広さが49㎡~となり全部屋に内風呂もついたことも価格上昇の要因だろう。
確かに高いが、それでも滞在の満足度を考えるとリーズナブルだと思える。また、多くの旅館やホテルは平日と休日、ハイシーズンとローシーズンで価格を変えるが、あさばはそれをしないのが非常に好感が持てる。休日やハイシーズンこそあさばに行ってみるのも良い。
アクセス:3点
修善寺駅からタクシーで10分ほど。
ただ東京からの場合、修善寺までは踊り子号であれば一本で行けるが、新幹線だとローカル線に乗り継ぐ必要がある。そのため、車の方が便利ではあるが、のんびり鉄道旅も悪くない。
ソロフレンドリー:5点
子供は7歳からしか宿泊できない大人のための宿だ。また、部屋数も少なく、満室であっても不思議と館内で他のゲストに遭遇することがほとんどない。露天風呂もいつも大体貸し切り状態で入れるしな。そのため、館内は静寂そのもので、心地よい気で満たされている。ひとりで究極の豊かな時間を過ごすことができるだろう。なお、今回はひとりではなく母を連れて行ったが、とても喜んでもらえた。
キュイジーヌ:5点
あさばはすべてが素晴らしいが、特に抜きんでているのが食事だろう。
高級旅館での食事は、「もちろん美味しいけど、食事だけ取れば都内に素晴らしいレストランが他にいっぱいある」となりがちであるが、あさばは違う。例えば、都内であさばの料理が出るレストランがあったとしたら、他の素晴らしいレストランにも負けないだろう。食事だけでもミシュラン店と勝負できる、それがあさばの強さだ。
また夕食だけでなく朝食も最高なのが嬉しい。
あさばには最高で3泊したことがあるが、2日目以降もクオリティーが維持されており、流石の一言。
クリーンネス&ファシリティー:5点
ジムはなかったはずだが(運動したい方は旅館周辺を走るのがよい。気持ちいいぞ)、スパ、温泉、ラウンジと共用部も充実している。お風呂は内風呂のほか、露天風呂と貸切風呂がある。貸切風呂を使わなくとも、たいてい露天風呂は空いているのも嬉しい。ラウンジは、モダンな空間で、ここでいただくコーヒーも格別だ。
また、あさばの館内は隅々まで手入れが行き届いていて気持ちいい。靴を脱いで絨毯に足を乗せる瞬間がなんとも清々しく、すっと背筋が伸びる。あの清潔さを保つのは並大抵のことではないだろうが、スタッフの方が、館内で掃除をしている姿をこれまで見たことがない。見せない美学だな。
そして、個人的には、寝具が素晴らしい。究極の寝心地のお布団だ。本当にぐっすり眠れる。なお、この寝具一式は購入もできるそうだ。我が家では枕を愛用させていただいている。
ホスピタリティ:5点
あさばは、接客も当然素晴らしい。ゲストとの距離感が抜群だと感じる。よそよそしくもなく、近すぎることもない、心地よい距離感なのだ。
他に感心したエピソードを2つ。私は左利きなのだが、食事のとき、さっと左利きの配膳にしてくれる。最近の和食店では、利き手に合わせた配膳も珍しくないが、あさばがすごいと思うのは、あさばは食事が部屋出しという点だ。つまりスタッフの方が部屋に入ってくるのは次のお皿を持ってくるタイミングであって、前のお皿は食べ終わっている状況だ。すなわち、お箸を置いている状態で左利きだと判別している。よく見ているなぁと感動してしまう。別に右利きの配膳のままでも気にしないが、こういった心遣いは嬉しくなる。
もうひとつは、冬場に行くとわかるが、帰る際に靴を履くとあたたかいのだ。「秀吉か!」と思わず突っ込んでしまう。あさば以外でこれをやっている旅館を知らない。
以上、あさばのきめ細かなおもてなしを感じてもらえたら嬉しい。
センス&ユニークネス:5点
池に浮かぶように建つ能舞台、これがあさばを唯一無二にしているピースのひとつといっていいだろう。日は限られるが、実際にこの舞台で能楽、狂言、 新内、舞踊が開催される。私も一度能を拝見させていただいたが、部屋から眺める能は貴重な体験だった。予約は簡単ではないが、機会があれば若い人にこそ体験してほしい。
また、館内に配置されたアート作品も旅館と馴染むようにインストールされており美意識の高さを感じる。李禹煥、草間彌生、宮島達男・・・といった巨匠たちの作品が旅館の雰囲気を壊すことなく並ぶ。オーナーの審美眼に感心するばかりだ。
予約ガイド
このホテルは以下の予約サイトで取り扱われている。
※本ページにはアフィリエイトリンクを含みます。
ホテル基本情報
- 公式HP
- ホテル名: あさば / Asaba
- 参考宿泊料金: 200,000円~
- 所在地: 都道府県名:静岡県、都市:伊豆氏修善寺
終わりに&次なる旅の破片
あさば、いかがだっただろうか?色々な旅館を泊まっているが、間違いなく日本の旅館の最高峰だ。知人の旅館好きもあさばをNo1に挙げる人が多い。旅館のみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回は神奈川は箱根にある旅館・強羅花壇だ。あさばと同じく、こちらも日本を代表する旅館だ。
お届けは2025年2月22日予定だ。もし、この旅を気に入っていただけたなら、読者登録して、新しい旅の破片もそっと受け取っていただけると嬉しい。
では、また旅のどこかで。
