私の最も敬愛する建築家の一人ジェフリー・バワ。彼の残したホテルをすべて紹介する
スリランカの偉大な建築家、ジェフリー・バワ、ご存知だろうか?
バワの建築は「トロピカル建築」「熱帯建築」と呼ばれ、スリランカの美しい自然や文化を取り入れている。
私自身、最も好きな建築家で、初めて滞在した時は本当に感動した。
バワの建築を巡るためにスリランカを訪れる価値があると言っても良い。
今回はそんなバワ建築のうち、宿泊できる場所を網羅的に紹介する。
- ジェフリー・バワとは?
- ジェフリー・バワ設計のホテルはどこにある?
- 宿泊できる全バワホテル!
- ナンバー11/Number 11(1960)
- ジェットウイング・ラグーン/Jetwing Lagoon(1966)
- ターラ・ベントータ(旧アヴァニ・ベントータ)/Thaala Bentota(1970)
- ヘリタンス・アフンガラ/Heritance Ahungalla(1981)
- クラブ・ヴィラ/Club Villa(1981)
- ジェットウイング・ビーチ/Jetwing Beach(1984)
- ヘリタンス・カンダラマ/Heritance Kandalama(1994)
- ジェットウイング・ライトハウス/Jetwing Lighthouse(1997)
- ザ・ブルー・ウォーター/The Blue Water(1998)
- レッドクリフ/Red Cliffs(1998)
- ルヌガンガ/Lunuganga(1998)
- ナンバー5 ルヌガンガ/No.05 Lunuganga(2016)
- デ サラム ハウス/De Saram House(2019)
- 終わりに&次回予告
ジェフリー・バワとは?
まずはジェフリー・バワの経歴やその建築の特徴を紹介させてほしい。
バワを知らない方も興味を持っていただけるはずだ。
経歴
ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa, 1919年 – 2003年)は、スリランカ出身の建家で、「トロピカル・モダニズム」の創始者として知られている。
バワはもともとスリランカ(当時のセイロン)のコロンボで裕福な家庭に生まれた。
父はイギリスとスリランカの混血、母はオランダとスコットランドの血を引く家庭出身で、植民地時代の上流階級に属していた。
ケンブリッジ大学で英文学を修め、ロンドンのインナー・テンプルで弁護士資格を取得。
卒業後、イギリスで弁護士として働いていたものの、法律の仕事に興味を失い帰国。
1948年にベントータ郊外にゴム農園(のちのルヌガンガ)を購入し、庭園のデザインに情熱を注ぐようになる。
バワはこのプロジェクトを通じて、建築やランドスケープに興味を持つようになり、建築家としてのキャリアを追求するため、1950年に再びイギリスへ渡り、ロンドンの建築学校「AAスクール(Architectural Association School of Architecture)」で学んだ。
1957年に建築家の資格を取得し、帰国。本格的に建築家としての活動を開始する。
建築の特徴
彼の建築スタイルの特徴として以下の点が挙げられる。
トロピカル・モダニズム
- 熱帯気候に適したデザインを取り入れ、自然光や通風を活用。
- 建物と自然を一体化させる空間設計。
内と外の融合
- 庭、池、自然景観を建築に取り込む設計。
- 室内と屋外を区別しない開放的な構造が特徴。
スリランカ文化への敬意
- スリランカの伝統建築や材料をモダンな手法で再解釈。
- 地元の素材や職人技術を積極的に活用。
ジェフリー・バワの作品は、スリランカだけでなく、世界中の建築家やデザイナーに影響を与えている。
特に、自然と調和したサステナブルなデザインが現代建築の流れに大きな影響を及ぼしている。
ジェフリー・バワ設計のホテルはどこにある?
バワのホテルを含む建築はすべてスリランカにある。
したがってスリランカを訪れなければ、彼の建築を見ることはできない。
北海道の8割程度の大きさのスリランカだが、交通機関は発達しているとは言えない。
しかし、バワホテルは西側から南側の海岸沿いの高速道路が整備されているエリアに集中している(ヘリタンスカンダラマなど一部例外あり)。
そのためしっかり計画を立てれば、効率的に回ることも可能だ。
宿泊できる全バワホテル!
宿泊できるバワホテルを年代別にまとめた。
レアな建築も含め網羅的に記載している。
実際に滞在した際の記事も掲載したのであわせてぜひ参考にしてほしい。
ナンバー11/Number 11(1960)
バワの自邸だった場所の一部をホテルとしてオープンしたもの(なお、1960年はホテルとしての開業年ではなく、当初自宅として完成した時期としている)。
コロンボの豪邸が立ち並ぶ閑静な住宅街の中に佇んでいる。
なお、11番地にあることからナンバー11と名付けられた。
宿泊なしの見学ツアー(要予約)もあるが、せっかくなら宿泊したいところだ。
バワが蒐集した調度品の数々が素晴らしくバワの暮らしを追体験できる。
★シングルマンの滞在レビューはこちら
ジェットウイング・ラグーン/Jetwing Lagoon(1966)
バワが初期に設計した代表的なホテル(旧:ブルー・ラグーン)で、彼の建築スタイルの原点ともいえる場所だ。
スリランカ西海岸のネゴンボに位置し、海とラグーン(潟湖)に挟まれた独特の立地が特徴で「建築と自然の融合」の哲学が試みられた最初の実践の場だ。
バンダラナイケ国際空港から車で30分程度とアクセスしやすく、旅のスタートや終わりにおすすめしたい。
100mのプールは圧巻でこれは南アジアで最も長くこれも見どころだ。
※2024年9月に改修が完了。
【オススメの予約方法】
以下の予約サイトを比較して予約するのが価格面・利便性からオススメだ。
ターラ・ベントータ(旧アヴァニ・ベントータ)/Thaala Bentota(1970)
ココナッツの緑と赤と白の建築は18世紀のオランダの村から着想を得ており、青い空のコントラストが美しいバワ初期の作品。
ビーチフロントでリラックスした時間を過ごせる。
隣接するベントータ駅もバワ設計によるものでこちらも見どころだ。
【オススメの予約方法】
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ヘリタンス・アフンガラ/Heritance Ahungalla(1981)
今やリゾートホテルに欠かせない存在となった「インフィニティ・プール」だが、その建築手法の生みの親は実はバワだ。
バワの建築の多くでインフィニティ・プールが取り入れられているが、最初のインフィニティ・プールの作品がこのヘリタンス・アフンガラでインフィニティ・プール発祥となっている。
プールとインド洋の連続性は圧巻で、間に置かれている通称ラブソファで寛ぐ時間は至福だ。
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【オススメの予約方法】
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クラブ・ヴィラ/Club Villa(1981)
バワが友人のために住居として設計した建築で、その後、ホテルとして改築された。
海岸線近くにあり、庭園と建築が一体化したデザインとなっている。
ジェフリー・バワの建築哲学を体験できる小規模なブティックホテルだ。
ルヌガンガにも近いので建築巡りの拠点としても良い。
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ジェットウイング・ビーチ/Jetwing Beach(1984)
ジェットウィング・ラグーンと同様、空港からアクセスしやすい。
スリランカの「ゴールデン・ビーチ」の起点となるネゴンボに「ロイヤル・オーシャニック・ホテル」としてバワが設計したホテルだ。
2005年にはバワの弟子・ヴィノド・ジャヤシンゲにより改築されているが、一部はバワのオリジナルが残っている。
部屋からプール、プールからビーチへのアプローチが美しい。
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ヘリタンス・カンダラマ/Heritance Kandalama(1994)
海のリゾートが多いバワホテルの中で、珍しい森のリゾート。
そして、バワ建築の中で最も有名なものがこのヘリタンス・カンダラマ。
森に侵食されたような建築は時間や天候で刻々と表情を変える。
壁がないため、敷地内で野生の猿や鳥にほぼ100%出くわす。
またホテルの敷地は野生の象の通り道にもなっており、運が良ければ出会えるかもしれない。
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ジェットウイング・ライトハウス/Jetwing Lighthouse(1997)
世界遺産ゴールからインスパイアされて設計されたジェットウィング・ライトハウスは、
数あるバワ建築のビーチリゾートでも「最高傑作」と呼び声も高い。
ラキ・セナナヤキによる彫刻群が設置された螺旋階段を抜けた先に広がる景色にはっと息を飲む。
随所にバワらしさを感じられる素晴らしいホテルだ。
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ザ・ブルー・ウォーター/The Blue Water(1998)
バワ設計の最後のホテル。
いわば、バワの集大成として完成度も高い。
直線的な印象の建物と曲線的な印象の植物による対比が面白いです。
【オススメの予約方法】
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レッドクリフ/Red Cliffs(1998)
スリランカ南部の美しい海岸線に位置する小さな町ミリッサにあるレッドクリフ。
ジャヤワルダナ家のためのプライベート休暇用に設計された断崖絶壁に立つバワ最晩年の作品の一つ。
その崖の赤土から「レッドクリフ」と名付けられた。
部屋数はわずか3部屋でいずれも250平米程度の広々した部屋だ。
敷地全体がひとつのランドスケープとしてデザインされており、壮大な景観が楽しめる。
【オススメの予約方法】
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※expediaでのレッドクリフの取り扱いはないようだ。
ルヌガンガ/Lunuganga(1998)
バワが週末を過ごすための別荘だった場所。
完成まで長い年月をかけておりバワの理想郷だ。
広大な敷地の多くが庭園でどこを切り取っても絵になる。
中でもバワが眠るシナモンヒルからの眺めはこの世ではないと感じるほど美しい。
ナンバー11と同様、見学ツアーもあるが、宿泊して、優しく流れる時間に包まれたい。
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ナンバー5 ルヌガンガ/No.05 Lunuganga(2016)
ルヌガンガとまとめて紹介されていたりしますが、厳密には分けるべき。
このナンバー5は通称エナハウスと呼ばれている。
バワ建築に欠かせないアーティストでもあるEna De Silvaとその夫の住居だったことに由来する。
1962年にコロンボに建てられたものが2016年にルヌガンガの敷地に移設された。
まずはルヌガンガに宿泊したいところだが、バワマニアの方はこちらもありかも。
【オススメの予約方法】
以下の予約サイトを比較して予約するのが価格面・利便性からオススメだ(予約方法はルヌガンガと同様だ)。
デ サラム ハウス/De Saram House(2019)
出典:Booking.com
バワの友人であったデ・サラム家が所有していた家を1986年に改築したもので、
2019年に、修理を行い宿泊施設として宿泊できるようになった。
修理はバワの弟子が実施している。
【オススメの予約方法】
以下の予約サイトを比較して予約するのが価格面・利便性からオススメだ。
終わりに&次回予告
ジェフリー・バワの全ホテルと題してお届けしたが、いかがだっただろうか?
この記事があなたの旅の参考になれば嬉しい。
さて、長らくスリランカのホテルが続いたので、次回は違う国のホテルを紹介したいと思う。
あまりネット上にも情報がないあの国だ。
配信は2025年1月11日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。
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