
アイコニックなその赤は気分を高揚させる
ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、ノルウェーのオスロにあるホテル「アメリカリンイェン」の滞在レビューをお届けする。真っ赤な建物と「アメリカ」という文字が入った不思議な名前。何かそこに壮大な物語が潜むような気がして選んだホテルだ。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント
かつて人々をアメリカへと運んだ船会社の本社ビル。
今は旅人の夢を内に抱きながら、オスロの街を見守るように立っている。
真鍮のきらめき、ジャズの調べ、そして異国への想い──
歴史と現在が一夜に溶け合う、美しきトランジット。

オスロ中央駅の正面に鎮座し、アイコニックな真っ赤な体躯が青空に美しく映えている。
このホテルのロゴの「A」マークが冠された重厚なドアを抜けて、中に入ると真鍮のきらめきが美しいロビーだ。
しかし、決して華美ではなく、北欧らしい洗練されたあたたかみが印象的。






窓枠、アートフレーム、シャワールームのドア、床のタイル・・・
部屋には大小様々な黒枠が、象徴的に使用されており、それが部屋全体にリズムを生んでいる。
そこにカーテンやアートのピンクが可憐さを添える。
決して広くはないが、洗練されたセンスの良さだ。


廊下や階段といった共用部はかつての面影を感じる。
無骨で、ひんやりとした空気は部屋と対照的で面白い。



朝、海辺を散歩。
まだ人もまばらで朝日が眩い。
お腹が空いてきたら、ホテルのレストランへ。
空のような、海のような、気持ちの良い空間。観光客や仕事に向かう人で賑わい始めた駅前の広場を眺めながらのんびりと食事を。
さて今日はどこへ行こうか。




時期:Summer, 2025
部屋:スタンダード
シングルマンシュラン(5つ星評価):🌟🌟🌟🌟
シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟 : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル(中立評価)
🌟 : その国/地域を訪れても選ばないホテル(ネガティブ評価)
※詳細な評価基準についてはこちらをご参照してほしい。
正直オスロは、ぐっとくるホテルが少ない。機能的に泊まれるホテルはそれなりにあるのだが、コペンハーゲンやストックホルムのような洗練さがない(それが素朴で良いところでもある)。
そんな中で、オスロで「美しさ」を求めるのであれば、ここアメリカリンイェンかあるいはゾンマーロを挙げたい。この2つであれば、ホテルを愛してやまない旅人にもきっと刺さるだろう。なお、アメリカリンイェンは1ミシュランキーを獲得している。
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:2点
オスロのど真ん中のせいか、部屋の広さに対して割高感は正直ある。宿泊したのがハイシーズン中のハイシーズンだったこともあり、ボトムの部屋で9万円程度。ただし、ローシーズンであれば5万円程度で滞在可能なので、そこを狙うのもあり。
アクセス:5点
オスロ中央駅の真正面の広場にあり、駅から徒歩1分(もかからないかも)という最強の立地で鉄道で遠くに行くにもトラムで街を巡るのも、とにかく、どこに行くにも便利だ。元船会社ということもあって、海もすぐ近くで散歩するのにもうってつけ。行き交う人々で一日中賑わっている場所だが、ホテルの中は喧騒とは無縁で駅前ということを忘れさせてくれる。立地を重視する方にとってはここがベストチョイスになるだろう。
ソロフレンドリー:4点
客層はビジネスマンや観光客様々だったが、落ち着いた方々が多く、静かに過ごすことができた。
キュイジーヌ:3.5点
朝食のみ利用。
朝食は1階のレストランでセミブッフェ(メインはオーダーし、その他はブッフェ)タイプだ。メインはエッグベネディクトをいただいたが、濃厚なソースとカリカリベーコンが美味しかった。ブッフェも豊富で、飽きない。一般的なブッフェと比べてもこだわりを持って作られているものが多いので、滞在された際はぜひどうだろう。水色を基調にした明るい店内は、一日のスタートにふさわしい。
クリーンネス&ファシリティー:4点
ホテル内は美しく整えられており申し分ない(そういえば、清掃チームにも日本人の方がいるそうだ)。
設備面も不自由はしないが、部屋は広くはない。ボトムの部屋で20平米、デラックスでも28平米だ。最上級のスイートでも50平米なので、広さを重視する方には物足りないかもしれない。
ホスピタリティ:4点
フロントで「もしかして日本の方ですか?」と日本語で話しかけられた。はい、と返すと、まさかの日本人のホテルマネージャーだった。日本語が恋しくなっていたタイミングだったので、嬉しかった。お会いしたのがチェックアウトのタイミングだったのが悔やまれるが、飲み物やアイスキャンディーをいただいたり親切にしていただいた。思い返せば、チェックイン前のメール連絡の差出人もこの日本人の方だった。オスロで日本語対応可能なホテルは少ないと思うので、もし英語に不安がある方にはとても心強いだろう。もちろん公式に日本語対応可能と表記しているわけではないので、お会いできたらラッキーくらいの気持ちでいると良い。もちろん、それ以外のスタッフの皆さんもテキパキとフレンドリーだ。
訪れたときはちょうどオスロプライドウィーク真っ最中で、街がレインボーに染まっていたが、このホテルでもパーティーが開かれ賑わっていたな。そういった地域に開かれている感じもこのホテルのホスピタリティのあらわれなのかもな。
センス&ユニークネス:4点
ここは、1919年に建てられた建物で実に100年を超える歴史を持つ貴重な建物だ。元々はノルウェー=アメリカ移民航路「Amerikalinjen」本社だった。これをホテルとして改装し、開業したのは2019年。そのため、会社だった頃の面影も随所に感じられる。部屋は優雅に改装されている一方で、廊下など共用部は当時の無骨さを感じられ、その対比も面白い。
また、このホテルは、ジャズを売りしているのもユニークな点。ジャズクラブでは、定期的にジャズライブが開催されている。今回の滞在では聴くことはできなかったが、ジャズの調べに乗せてかつての旅人たち、そして今ここにいる自分の旅に思いを馳せる、そんな夜も素敵だ。
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ホテル基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ホテル名 | Amerikalinjen(アメリカリンイェン) |
| 宿泊料金 | 3140 NOK~(時期・プランにより変動) |
| 客室数やタイプ | 全122室:スタンダード、スーペリア〜ジュニアスイート/スイートなど個性的な設え |
| 食事 | ブラッスリー「Brasserie Atlas」、カフェ「Atlas Café」、バー「Pier 42」、ジャズクラブ「Club Gustav」、ベーカリー「The Little Bakery」 |
| チェックイン/チェックアウト時間 | チェックイン:15:00~、チェックアウト:12:00 |
| 特徴的な設備やサービス |
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| 所在地 |
Jernbanetorget 2, 0154 Oslo, Norway |
| アクセス |
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終わりに&次回予告
アメリカリンイェン、いかがだっただろうか?
予期せぬ日本人の方との出会いが嬉しい記憶として残っている。人との出会いも旅の醍醐味だよな。
ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回はノルウェーを代表するフィヨルドの【ソグネフィヨルド】をお届けする。
ノルウェーといえばフィヨルドを想起する方も多いのではないだろうか。
配信は2025年11月22日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。



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