世界のホテル滞在レビュー#28|ホテル・デュ・クベント|南仏の光に抱かれる高台の修道院

ホテル・デュ・クベントのアイチャッチ画像

ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。

今回は、フランスのニースにあるホテル「ホテル・デュ・クベント(Hôtel du Couvent)」の滞在レビューをお届けする。このホテルを選んだのはそう、直感だ。グーグルレビューは5つ星ホテルとしては突出した高評価ではなかったのだが、絶対に自分好みに違いないという確信めいたものがあった。そしてその直感は正しかったのだ。

それでは、行ってきます。

目次

旅のフラグメント

石造りの回廊はひんやりと冷たく、静けさが沁み込む。
遠くの鐘の音が、わずかに空気を震わせる。
古い木の香りと蝋燭の匂いが、深呼吸を誘う。
祈りも時も、光に抱かれて。

ホテルは美しいニースの街並みを見渡す高台にある。

街の喧騒から離れた風の通り道。

かつての修道女たちの足音が聞こえてくるよう。

門をくぐると、ふっと空気が変わるのを感じる。

たわわに実ったレモンの黄色と葉の緑、白いパラソル、やさしい色の建物・・

来たことのない場所でなぜか感じるノルタルジー。

時間の層が折り重なったような美しい部屋。

遠い昔の光や祈りが壁に沈んでいるよう。

窓の外には、ニースの日常。

ベランダでワインを飲むお父さん、風にたなびく洗濯物、かすかに聞こえる笑い声。

完全に生活から切り離されていない心地よさがある。

中庭からさらに高台へと向かう道。

植物のアーチをくぐりぬけてゆるやかな坂をのぼっていく。

小さな冒険だ。

頂上には、ニースを一望する特別な場所。

木々を揺らす風の騒めき、鳥の囀り、遠くの鐘の音・・・

ひんやりと冷たい水と燦燦と降り注ぐ光の狭間で世界がとろけてゆく。

夕方、街の散策へ。

ホテルの静寂とはうってかわり、ビーチにはパラソルが咲き誇り、多くの人で賑わう。

オレンジ色に空が傾いて、街を染めてゆく。

ターンダウンされた部屋は静寂そのもの。

寝酒にワインを一杯。

やわらかな灯りが夢へと誘う。

曇っていて少し肌寒い。

こんな朝は、カプチーノだ。

「おはようございます」と日本語の挨拶とともに現れた彼。

置かれたカップに浮かぶなんとも可愛らしいユーモア。

身体も心も温まる体験。

次の目的地へ向かう時間。

去り難い感情が溢れる。

ひと夏を、ずっとここで過ごしていたい。

Season – Autumn, 2025
Room Category – Visitandines

シングルマンシュラン🌟🌟🌟🌟🌟— 9.5 / 10 Unparalleled


シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル
🌟🌟🌟🌟  : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル
🌟🌟🌟    : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル
🌟🌟    : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル
🌟      : その国/地域を訪れても選ばないホテル

※詳細な評価基準についてはこちらを参照してほしい。
※これまで訪れた全ホテルのレビュースコアをまとめたものはこちらを参照してほしい


全てが好みだった。直感を信じた自分を褒めたい。ホテルにたくさん泊まると自分の好みの解像度が上がっていくな。

「余白」そんな抽象的な概念をうまく取り入れたホテルが私は好きだ。その余白へ自分の物語が入り込むことができる、そんな気がするから。ここは、まさにそんな場所。

ニースのおおらかな空気がこのホテル全体を包み込んでいて、たいていのことはどうでもよくなってしまう。自分のすべてを預けて深く深く沈み込んでゆく。

評価詳細(各5点満点)

コストパフォーマンス:2.5点

パリと比べるとニースは幾分ホテル価格も控えめだ。とはいえ、南仏はパリ以上にオンオフがはっきりしているので、夏場のバカンスシーズンはものすごく高い。反対に冬場のオフシーズンはラグジュアリーホテルでも手が届きやすい。もしリーズナブルに泊まりたいのであればオフを狙おう。春や秋は、過ごしやすい気候な上、ハイシーズンほど高くなく、観光客もまだ少ないので混雑もなくおすすめ。

アクセス:3点

日本からニースへ行く場合は、パリ経由が一般的だろう。飛行機ならパリからニースまで1時間半程度。電車(TGV)の場合は5時間半~6時間程度。時間を節約したい場合は飛行機で問題ない。一方、TGVで色々な街に立ち寄りながら旅するのもいい。私は行きは飛行機で、帰りは電車でニース→エクス→アヴィニョン→パリとコート・ダジュールからプロヴァンスの街に立ち寄りながらのんびり移動した。ややアクセスは不便だが、時間をかけても行く価値がある場所だ。

ホテルはニースの旧市街地にあるが、中心地からは少し離れた高台にある。旧市街地の中心から徒歩で10分もかからないが、急こう配の上り坂なのでスーツケースを持っている場合は、徒歩で行くのは避けた方が良いだろう。車は入れないエリアだが、ホテルに依頼すれば電動カートで送り迎えしてくれる(アトラクション感があってこれが結構たのしい(笑))。

ソロフレンドリー:4点

ひとりで訪れて正解だった。とことん自分のために時間を使うことを許してくれる場所だ。邪魔するものは何もない。

キュイジーヌ:4点

朝食と夕食を利用。夕食はメインダイニングを利用したが、南仏料理にキリリと冷えたロゼワインがとても良かった。こちらは別記事で紹介したい。

朝食は夕食をとった会場と同じだ。テラス席もあるので、気候が良い朝はぜひテラス席を!ブッフェではなく、アメリカンブレックファースト(アラカルトも確かあったはずだ)。卵料理にジュース、パン、チーズ、フルーツ、ヨーグルトなどがテーブルに所狭しと並ぶ。とにかく居心地がよくついつい長居してしまうはず。

他にもランチ専用のレストランや、ニースの街にもホテルが運営するカジュアルなビストロなどもある。

クリーンネス&ファシリティー:4.5点

まだ新しいホテルであるためとてもきれい。一方で、歴史ある建物を改装しており、当時の面影を残している部分も多くある。そのバランスが絶妙だ。

高台にあるプールは、本当に素晴らしい。ニースの街を一望でき、まさに絶景。ここに来たからにはぜひ訪れてみてほしい。なお、バスタブはスイートであっても基本的にはないようだ(一部アパートメントタイプの部屋にはある)。個人的にはバスタブはなくても気にしないが、必須の方は注意したい。

ホスピタリティ:4.5点

グーグルレビューをさらっと眺めるとマイナス点としてスタッフのホスピタリティへの言及が多かったように思う。だから少しだけ心配していたのだが、これは杞憂だった。無愛想とは言わないまでもドライな対応をされるかと思いきや、皆さんいつも素敵な笑顔でコミュニケーションをとってくれる。私が英語ネイティブではないと判断するとゆっくり聞き取りやすい英語で話してくれたりな。

他にも日本人だとは言っていないのだが、カプチーノを頼んだら、サプライズでへのへのもへじの絵を描いてくださったり、敷地内を散歩していると冗談交じりに話しかけてくれたり。とても心地の良いコミュニケーションだった。誕生日だったからか、部屋のアップグレードもしていただいたし、ワインを一本ボトルでいただいたもして、至れり尽くせりの滞在だった。

あと、ここのスタッフの制服がとても良い。修道院をイメージしているのかもしれないが素敵だった。

センス&ユニークネス:5点

修道院を改装したホテルというだけで、心躍るよな。真新しいホテルも良いが、こういった昔の建築を活かしたホテルはもっと好きだ。

このホテルで特に印象的だったのが白がない、という点だ。ベッドシーツやレースカーテン、壁・・・ホテルでは、真っ白なものを使うことが多いが、ここでは、白ではなく、ほんのりとクリーム色。いや、生成りと言った方がいいかもしれない。漂白されていない自然な色。それはまるで、南仏のあたたかな陽にほんのり灼けたような優しい色で、ニースのオレンジがかった光にとても合う。

そしてその素材も。ベッドはリネンのような手触り感のある素材、土っぽいタイルに、大理石のバスルーム。思わず色々触りたくなる。控えめな色合いの部屋だが、様々な素材が表情を生んでおりそれがまたたまらない。

ここは決して豪華絢爛なラグジュアリーはない。あるのは、クワイエットラグジュアリー。

ホテル・デュ・クベントが気になるあなたに向けた予約方法

ホテル・デュ・クベントのことが少しでも気になっていただけたら嬉しい。そんなあなたのために私のおすすめの予約方法を記しておきたい。

ホテル偏愛家の私が選ぶベストな予約サイト、それはBooking.comだ。様々な予約サイトを実際に利用・比較し、その①利便性、②安全性、③価格の観点から判断したもので、私の旅にも欠かせない存在になっている。比較できるように主要な大手予約サイトのリンクを載せておくので、あなたの好みに合うものを選べば良いが、もし決められないということであれば、Booking.comを選んでおけば間違いないだろう。下記、各サイトのロゴをクリックすれば直接ホテルページにアクセスでき、簡単かつお得に予約ができるので、ぜひ利用してほしい。

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※予約サイトの考え方についてはこちらを参照してほしい。


ホテル基本情報

項目 詳細
ホテル名 Hôtel du Couvent, a Luxury Collection Hotel(ホテル・デュ・クベント)
ホテルブランド Luxury Collection
ホテルグループ Marriott International
プライスカテゴリー アッパー
客室数やタイプ 全88室。
スーペリアルーム、ジュニアスイート、ガーデンビューやテラス付きなど多様な客室タイプ。
食事
  • 「LE RESTAURANT DU COUVENT」:修道院の中庭に面したメインダイニング
  • 「La Guinguette」:屋外のガーデンキッチンで地元料理やナチュラルワインを提供
  • 「Bistrot des Serruriers」:カジュアルなビストロ空間
  •     
  • そのほか、バーやブーランジェリーもあり
チェックイン/チェックアウト時間 チェックイン 15:00〜 / チェックアウト 〜12:00
特徴的な設備やサービス
  • 17世紀の修道院をリノベーションした建築美
  • 屋内外のプール、ローマ式バス、スパ施設
  • 菜園・温室付きの広大なガーデン
  • ヨガ・瞑想スペース、ワークショップエリア
  • 持続可能性と地産地消を意識した設計・運営
所在地 1 Rue Honoré Ugo, 06300 Nice, France
アクセス
  • ニース旧市街(Vieux Nice)北端に位置
  • ニース・ヴィル駅から車で約10分
  • ニース・コートダジュール空港からタクシーで約25分
  • 市電「Cathédrale – Vieille Ville」駅から徒歩約7分

終わりに&次回予告

ホテル・デュ・クベント、いかがだっただろうか?南仏の記憶を辿るとき、いつもこのホテルのことが思い浮かぶ。ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。

この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。


さて、次回はこのホテルがある街ニースを写真で巡ってみようと思う。光に溢れた美しい街だ。

お届けは2026年5月30日予定だ。できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。

それでは、また次回お会いしましょう。

新しい旅の破片を、そっとお届けします。

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