
世界遺産にもなっている美しき森の墓地へ
ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、スウェーデンの「スコーグスシュルコゴーデン」をお届けする。森の墓地を意味するその場所は、スウェーデンの人々の共同墓地になっている場所で、死者は森に還ると考えられているスウェーデン人の死生観をあらわしている。ストックホルムを訪れた際は必ず行きたいと思っていた場所だ。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント
夏の北欧は鉄道の工事が多く、一部区間が運行されないことがままある。
この時もそうで、森の墓地の最寄り駅まで電車が動いておらず、振替輸送のバスで向かった。
この日の空は厚い雲で覆われ時折霧雨が降っていた。
これが都市から”死”へと向かう静かなプロセッションを色濃くしていた。

正面玄関から入ってまっすぐ進むと、森の墓地の象徴的な礼拝堂の大きな十字架が見えるはずだった。
確かに遠くに十字架が見える。しかし、周囲は盛り上がった土とそれを囲むように張り巡らされたフェンスがあった。
確認すると、2025年2月から約2年間改修工事中、とのことだった。
事前のリサーチ不足だったが、事前にわかっていてもどのみちここには来たような気がする。


広大な墓地を散歩してみる。
墓地というより公園のようだ。
地元の方だろうか、ランニングしている方もいる。
空気を満たしているのは哀しみではなく、むしろ穏やかな感情。
そのように感じるのは、光と風の取り入れ方だろう。
整然とした木立は、十分な光が差すように、風が通り抜けるようにデザインされている。
そして墓石も小さく、建築も低い。常に自然を主役にしている。
ここに眠るのは気持ちよさそうだな。



グレタ・ガルボも眠っている。
時期:Summer 2025
記憶の一筆
スコーグスシュルコゴーデンを作り上げたのは、アルヴァ・アアルトやアーネ・ヤコブセンら北欧を代表する建築家たちに多大な影響を与え、北欧近代建築の礎を築いたエリック・グンナール・アスプルンド(Erik Gunnar Asplund)だ。完成までに数十年をかけ、生涯を通して取り組んだ場所と言える。
入り口から礼拝堂までの導線は、死と向き合う心理的なプロセスを表現しているような印象を受けた。建築やランドスケープを通じて、死生観を見つめる。死は特別な出来事ではなく、森の循環に静かに溶けていくものなのだ。だからこそ、ここで過ごす時間は穏やかで優しい。
旅のスポット基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名称 | スコーグスシュルコゴーデン(Skogskyrkogården) |
| 所在地 | Sockenvägen, Stockholm, スウェーデン |
| アクセス | ストックホルム中央駅から地下鉄で南に15分程度。「Skogskyrkogården」駅下車徒歩すぐ |
| 営業時間 | 24時間、無休 |
終わりに&次回予告
スコーグスシュルコゴーデン、いかがだっただろうか?
死者にも、死者との別れをする者にも優しい場所だった。なお、上述の通り、この記事の公開時点(2026年1月)でも工事中と思われるので、訪れる予定の方は注意されたい。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回は「バイキングライン」をお届けする。
北欧の旅もついに最後の国フィンランドの残すのみ。この移動を船で往けるのがバイキングラインだ。
配信は2026年1月31日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。



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