
念願叶って日本料理の至宝「未在」へ
ごきげんよろしゅう。
今回は、京都・円山公園の敷地にあるミシュラン三ツ星の茶懐石の名店「未在」をお届けする。
存在を知ったのはおそらく学生の頃だったが、ようやく機会に恵まれて訪問することができた。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント
芯から冷えるような二月の京都。
念願だった未在に訪れることができた。
未在に行くための旅だ。
祇園から円山公園に入ると小雪が舞い始めた。
今夜は熱燗かな、と思いながら未在に向かう。


未在では、食事の提供中は写真はNGだ。
しかし、それ以外は特に禁止していないとのことで、快く写真を撮らせていただいた。
茶の湯の世界が詰まった小宇宙。
華美ではない。しかし、静謐で心が鎮まるそんな空間だ。
今宵の客人が揃い、亭主の格別なもてなしがはじまる。


3時間以上続いた茶席も、あっという間に感じられた夢のような時間。
一期一会の亭主のもてなしはここでしか体験できない比類なきものだ。
ひとつ夢ができた。
それは、御献立が変わる全ての月に未在を訪れるということ。
1年に1回行くとしても12年かかる計算だ。
しかし、1年に1回、こういった特別な時間が待っているのはなんとも嬉しいものだ。


時期:Winter 2025
思えば、茶懐石は初めての経験だったかもしれない。向付からスタートし、造里、煮物椀、箸休、八寸、炊合、強肴、湯斗、香の物、主菓子、抹茶、果物、冷菓で〆。
噂に聞いていた量の多さも繊細な味わいのおかげで最後まで残さずいただくことができた(とはいえ大食いの私でもかなりの分量だと感じたので無理は禁物だ。お店の方も無理はせず残して下さいと言ってくださる)
どうだったか?と聞かれれば、すまないとしか言えない。私の語彙では筆舌に尽くしがたいのだ。
どれも美味い。間違いなく美味い。
中でも、造里。これは衝撃だった。この日は、障泥烏賊2種、鯛、寒鰤2種、鮪3種という構成だったが、今まで食べていた刺身はなんだったのか、と思うほど別物だ。口に入れた瞬間すっと融けてゆく。
これだけでもわざわざ訪問して体験する価値がある。
盛り付けも繊細で美しい。
1つ1つの手仕事に感嘆する。68種類のフルーツを使ったパフェが出てきたが、想像しただけで気が遠くなる。
そして、それらが盛り付けられた器の重み。物理的な重量のことではない。亭主が蒐集してこられた骨董たちが有する歴史の重みだ。
ひとりひとり異なる器が用いられており、他のゲストの器もついつい見てしまう。うっかり落としてしまったりしたらと思うと気が気がではないがそれでも手に取って細部まで見たいという願望が勝ってしまう。
写真が撮れないからこそ五感が研ぎ澄まされる。全身全霊で亭主と対峙する必要がある。
SNS映えの今の時代には合っていないのかもしれない。気軽さもないのかもしれない。
しかしそれでも行くべき場所だと思う。
歴史と伝統を学び、味わうことができる豊かな食文化体験だった。
未在が気になるあなたに向けた予約方法
未在の予約は至難だ。
とはいえ、予約サービスOMAKASEでもキャンセル枠が解放されることがあるのでここを狙ってみるのが一番確実だろう。
レストラン基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
レストラン名 | 未在 |
予算 | 80,000~100,000円/人 |
所在地 |
〒605-0071 京都府京都市東山区八坂鳥居前東入円山町618 |
終わりに&次回予告
未在、いかがだっただろうか?
ここでしか味わえない素晴らしい食文化体験だった。すでに次回の訪問が待ち遠しい。
迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、最近ホテルレビューは海外が続いていたので、またしばらく日本のホテルレビューに戻りたい。
次回は京都・東山にある「アビタホテル京都鴨川」だ。
リーズナブルでありながらスモールブティックホテルとして上質。そんな穴場ホテルだ。
配信は2025年5月3日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。
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