
細部まで作りこまれた世界観に映画の世界にタイムスリップしたような錯覚を覚えるホテルだ
ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、ノルウェーのベルゲンにあるホテル「シャルマント スコストレデット ホテル」の滞在レビューをお届けする。フィヨルドを訪れるためにベルゲンでホテルを探していた時に目に留まったホテルがここシャルマントだ。色彩の洪水が起きているような鮮やかさの中に感じるかすかなデカダンに惹かれた。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント
雨の多い街に似合う、しっとりと優美な館。
アール・デコの装飾が紡ぐのは、ノスタルジアのささやき。
窓辺に座れば、外のざわめきもまた、詩の一部に変わる。
ここはベルゲンの記憶が静かに眠る場所。

この日も少し雨混じりの天気だった。
世界遺産ブリッゲンはカラフルな色合いと三角屋根が可愛らしく、そんな天気でもポップな気持ちにさせてくれる。
そんな美しい景色の程近くにシャルマントはある。
外観こそ、ベルゲンの街に馴染むような素朴な佇まいだが、中に入るとそこは別世界。
まるでヴィスコンティの世界に迷い込んだようだ。



ウェルカムシャンパーニュをいただいたあと、部屋に案内されると、ソウルやジャズの陽気なオールディーズが空間を満たしていた。
レース越しに差す柔らかな光が、ロマンティックな部屋を優しく包む。ふと窓の外をのぞくとバフタブの花壇。
バスルームは、緑の大理石とゴールドの装飾が美しく、レインシャワーを浴びるとまるでベルゲンの静謐な雨に打たれているような気がしてくる。






夜寝るとき、部屋の電気を消しても、ベルゲンの空は明るい。けれども、どうしてかカーテンを閉めたくなかった。
ぼうっとした幻想的な光に包まれた部屋でしばらく天井を眺めていた。





印象に残っているドンディスカード。
「清掃してください」を「私の部屋を輝かせて」と表現するとはなんと粋なことか。
こんな些細な部分にもこのホテルの細部までのこだわりが感じられる。
また戻ってきたい。
時期:Summer, 2025
部屋:Grande Chambre
シングルマンシュラン(5つ星評価):🌟🌟🌟🌟
シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟 : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル(中立評価)
🌟 : その国/地域を訪れても選ばないホテル(ネガティブ評価)
※詳細な評価基準についてはこちらをご参照してほしい。
このホテル、すごく好きだな。
豪華絢爛とデカダンスが共存した世界はどこまでも詩的で美しい。身も心も沈み込むような滞在体験ができる。
それはもしかしたら、明るさが関係しているのかもしれない。館内の照明はかなり落とされていて、日本の明るさに慣れている方にとってはともすれば暗いと感じてしまうかもしれない。しかし、このホテルではそれが効いている。明るすぎるとこの隙のない装飾が過分に感じてしまうだろう。あえて暗くすることで煌びやかさの中に影を生み、余白が生まれる。まさに陰翳礼讃なのだ。
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:3.5点
ベルゲンはノルウェー第2の都市ではあるものの、のどかな田舎の港町だ。それゆえ、宿泊費がかなり高いオスロと比べると相対的にリーズナブルだ。ここシャルマントも価格に対しての満足度が高くハイシーズンであったものの、納得の料金だった。
アクセス:3点
ベルゲンまでのアクセスは基本的は飛行機になるが、オスロから鉄道でアクセスも可能。ベルゲン空港からベルゲン市内までは鉄道で30分ほどだ。ベルゲン鉄道駅からホテルまでは徒歩10分ほど。ベルゲンの中心地である世界遺産ブリッゲンや魚市場からホテルまでは徒歩5分程度であり、観光するにはもってこいの場所だ。
ソロフレンドリー:3.5点
ロマンティックでムーディーな雰囲気なので、おそらく多いのはカップルでの滞在だ。しかし、館内はとても落ち着いており、騒がしさは全くなく、一人でも詩的な滞在ができるだろう。窓越しに街を眺めながらしとしとと降る雨の音に耳を澄ますのもまた豊かな時間だ。
キュイジーヌ:3.5点
朝食のみ利用。
その日は誰もおらず、レストランを独り占めできた。朝食はブッフェではなく、アラカルトなのが嬉しい。そのアラカルトも好きなものを好きなだけ、というスタイルだ。ノルウェーといえば、やはりサーモンということで、サーモンサンドをいただいた。美味しく、盛り付けも美しい。ぬかりなく装飾された美しい空間は、居心地が良く、思わず長居してしまった。夜はブラッセリーになるので次回は訪れてみたい。
クリーンネス&ファシリティー:4点
清掃が行き届いているのはもちろん、タオルの置き方、花の生け方、そんなひとつひとつの見せ方にもこだわりが感じられ、きれいなのは当たり前で、美しく見せるという次元で戦っている。これは最高級ホテルであっても簡単なことではない。
クラシックなテイストではあるが、空調や音響など設備面は最新。それを前面に押し出すのではなく、世界観を崩さないように控えめに配備されている。
ホスピタリティ:3.5点
親切でフレンドリーな接客だ。洗練されているというよりは、近所のイケてるお兄さんお姉さんにもてなしを受けている、そんな感じだ。慣れていない人にとってはセクシーがすぎて照れてしまうかもしれない(笑)
センス&ユニークネス:4点
1920年代の建物を改装し、アールデコやベル・エポックの時代感を再現している。驚くべきはそのこだわりだ。細部まで徹底して作りこまれており、ガラス張りにカーテンで覆ったエレベーター、金色の空調や、装飾が施されたオイルヒーティング・・・という具合に生活感を感じさせるようなものや現代的なものは徹底的に隠し、世界観を創り上げている。
ひとつひとつ部屋のコンセプトも異なり、同じ部屋は1つとしてない。しかし、全体のコンセプトはブレず、世界観は崩れていない。
そうして作り上げらえれた世界は、巨匠ヴィスコンティの作品にタイムスリップしてしまったような錯覚さえ覚える。それはスタッフの所作にも及ぶ。男女関係なく、アンニュイな雰囲気を纏い、セクシーな話し方はそれぞれが自分の役割を演じているかのようだ。
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ホテル基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ホテル名 | Charmante Skostredet Hôtel(シャルマント スコストレデット) |
| 宿泊料金 | 約2,300NOK〜(時期・プランにより変動) |
| 客室数やタイプ | 全41室。各部屋が異なるデザインで装飾されたユニークなスタイル |
| 食事 | フレンチブラッスリー「Brasserie Chérie」にて地元食材を使った料理を提供 |
| チェックイン/チェックアウト時間 | チェックイン:15:00〜/チェックアウト:〜11:00 |
| 特徴的な設備やサービス |
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| 所在地 |
Skostredet 14, 5017 Bergen, Norway |
| アクセス |
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終わりに&次回予告
シャルマント スコストレデット ホテル、いかがだっただろうか?
1泊しかも早朝に出発しなければならなかったことが悔やまれる。次回は連泊してゆっくり過ごしたい。
ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回はノルウェーのオスロにある「スカンディック ホルベルク」だ。
機能的に滞在するのによい選択となるホテルだ。
配信は2025年11月8日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。


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