SINGLEMAN’S HOTEL LIFEへようこそ。 ホテルを起点に世界を旅し、その土地で出会った景色や建築、食や文化──そんな旅の破片を綴っている。
今回は、トルコのイスタンブールにあるダイニング「aheste」をお届けする。トルコで初めてのファインダイニングということで、トルコの食文化をしっかりと感じられそうな一軒を選んでみた。なお、2023年にはミシュランのビブグルマンにも選出されている(現在はセレクテッド)。
それでは、行ってきます。
旅の情景

地元の方で賑わう店内。
ヴォールト天井を持つ歴史的な空間には、柔らかな照明が落ち、街の喧騒とは異なる親密な時間が流れる。


一皿でこのお皿の数。
4種類の米を使い、カリカリに揚げたニンニクやエシャロットを合わせた香り豊かなピラフ、ドゥディ・ペルシャライスが印象的。


マグロはトルコや中東の極細の麺状生地、カダイフと合わせて。ここの定番料理のようだ。


イカとラク(トルコのアニス酒)を合わせたシグネチャー。地中海の風が吹く。


ラムの心臓とラムの内臓。クセはなく食べやすい。


激甘デザートが2種類でフィニッシュ。
Season – Winter, 2025
テーブルの記憶
歴史ある建物や賑やかな酒場が軒を連ねるアスマルメスジットの一角に、レストラン「aheste」はある。その名は、ペルシャ語に由来する「ゆっくりと」という意味を持つそうだ。
料理の中心となるのは、トルコや中東の食文化に深く根付いたメゼ。小皿料理を囲み、酒を酌み交わしながら会話を楽しむ、イスタンブールの伝統的な食事のスタイルだ。ahesteでは、こうしたメゼ文化を現代的な感性で再解釈。トルコ料理を基盤に、ペルシャや地中海沿岸の食文化も取り入れながら、伝統と創造性を併せ持つ料理を提供している。格式あるファインダイニングとも、賑やかな伝統的メイハネとも異なる、現代のイスタンブールらしい一軒だ。
今回はせっかくなのでテイスティングメニューをいただくことにした。印象的だったのは、その皿数の多さだ。メニュー上はデザート含めて5皿の構成だ。しかし、ここはメゼ文化が息づくレストラン、1皿に小皿料理が何皿か出てくるスタイルなのだ。最初はそれを知らなくて、メニューに複数の料理が書いてあったので「ここから選ぶんだよね?」と聞くと、「選ばなくていいよ、全部出るから!」と言われた。そして実際に出てきたのは全13皿だ。小さな料理が次々とテーブルを埋めていく。小皿と言えどそれぞれそれなりのポーションであり、全体のボリュームはかなり多い。食べきる自信がない方は、アラカルトでの注文がよいだろう。
ペルシャ風の米料理、マグロのカダイフ、エーゲ海沿岸のイカ料理、そして羊の心臓や内臓料理。ひとつのコースの中に、イスタンブールという都市が育んできた多様な食文化が詰め込まれている。
もっとも、料理の味に強く心を動かされたかといえば、正直なところそうでもない。マグロは日本で食べ慣れたものの方が好みに合い、最後に登場したバクラヴァを再解釈したというデザートも、僕には少々甘すぎた。一方で、エジネチーズのクリームとラクを合わせた小イカの料理は印象に残っている。料理の完成度という点では好みが分かれるものの、異なる文化が交差するイスタンブールの食を、現代的なコースとして楽しめるのはahesteならではの魅力だろう。
あわせて訪れたいホテル
レストランからすぐそばのペラ パレス ホテルがおすすめだ。徒歩すぐで、明るい通りをまっすぐなので、夜遅くなっても安心だ。ホテルでもレストランでもトルコ文化を存分に味わうことができる。
予約ガイド
公式HPよりオンライン予約が可能だ。人気店なので予約が望ましい。私が行った時も満席だった。
レストラン基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| レストラン名 | aheste |
| ジャンル | トルコ料理、モダン・メゼ |
| 予算 | 15,000~20,000円/人 |
| 営業日 | ディナー:18時~24時(月~日) |
| 所在地 | Asmalı Mescit Mahallesi, Meşrutiyet Caddesi No:107/F, Beyoğlu, Istanbul 34430, トルコ |
終わりに&次なる旅の破片
aheste、いかがだっただろうか?ユニークな食体験が面白かった。ごちそうさまでした。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、トルコのイスタンブールにあるホテル「オリエントバンク ホテル イスタンブール オートグラフ コレクション(Orientbank Hotel Istanbul, Autograph Collection)」だ。元々銀行だった建物を改装したユニークなホテルだ。
お届けは2026年11月14日だ。もし、この旅を気に入っていただけたなら、読者登録して、新しい旅の破片もそっと受け取っていただけると嬉しい。
では、また旅のどこかで。

