SINGLEMAN’S HOTEL LIFEへようこそ。
ホテルを起点に世界を旅し、その土地で出会った景色や建築、食や文化──そんな旅の破片を綴っている。
今回はスリランカのコロンボにあるホテル「ナンバー11(Number 11)」の滞在レビューをお届けする。ジェフリー・バワの自宅兼事務所だった場所の一部がホテルになっており生前バワが蒐集したアンティークがそのまま残っている唯一無二の空間だ。なお、今回は宿泊はしておらず、訪問のみとなっている。
それでは、行ってきます。
旅の情景
外からは、ただの控えめな都市の家屋かもしれない。
しかし内部は、連なり、折れ、奥へと続く。
部屋は区切られず、体験として編まれている。
バワの思考そのものに触れる滞在。

コロンボの中心地の閑静な住宅街にひっそりと佇むナンバー11。
ラキ・セナナヤケのデザインによる神秘的なドアをあけ中に入るとそこからはバワの世界。
外と内の境界が融けるというバワの特徴を有しつつ、住宅街にあるとは感じさせない構造が素晴らしい。
わくわくがとまらない。





バワが人生で一番多くの時間を過ごした場所ゆえ、これほどまでにバワの哲学を感じられる場所は他にない。
彼の蒐集した骨董や古美術、階段の手すり、そのひとつひとつに美が宿る。
五感を研ぎ澄ませて対峙したい。
もちろんリラックスすることも忘れずに。


屋上のテラスからはコロンボの街並み。
低層階なので、人々の営みを色濃く感じることができる。
バワを感じながら暮らすように滞在する。
ここではそんな滞在が似合う。


Season – Summer, 2024
シングルマンシュラン 🌟🌟🌟🌟— 8.8 / 10 Outstanding
シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル(ポジティブ評価)
🌟🌟 : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル(中立評価)
🌟 : その国/地域を訪れても選ばないホテル(ネガティブ評価)
※詳細な評価基準についてはこちらをご参照してほしい。
他のバワホテルに見られるモチーフがナンバー11のいたるところにある。これは、バワはまず自分の自宅に配置してから、ホテルに展開していったためだ。いわば、ここは実験の場でもあったのだ。だからこそ、バワ建築の濃厚なエッセンスを食らうにはこれ以上の場所はない。
今回は宿泊はできなかったので、次回は必ずここで暮らすように滞在してみたい。バワの暮らしを追体験することで、ナンバー11だけでなく、バワ建築の素晴らしさをさらに感じることができるだろう。
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:3.5点
スリランカの物価水準からすると、決して安くはない一方で、ラグジュアリーホテルのようなサービスがあるわけでもない。純粋に建築を愉しむ場所だ。そこに価値を見出せる方にとっては、この宝箱のような空間を独占できることは、この上ない贅沢であり、むしろリーズナブルだと思えてくる。
アクセス:4.5点
コロンボの中心部にあり、アクセスはとても良い。また周囲は閑静な住宅街で治安も悪くない。おしゃれなカフェやショップもたくさんあるエリアであり散策するのも楽しいだろう。バワの旧事務所を改装したカフェ「パラダイスロード」も近いのであわせて訪問したい。
ソロフレンドリー:4点
ひとりでは少し広すぎるかもしれないが、誰にも邪魔されずバワの空間に浸れるという最高の贅沢。バワに興味がない人と行くくらいならひとりで行って、めいっぱい在りし日のバワに想いを馳せたい。
キュイジーヌ:-
今回食事をしていないため、評価しない。
なお、そもそもここは厳密にはホテルではないので、レストランはないが、コロンボ中心部なので食事に困ることはないだろう。ただし、宿泊者限定で朝食は提供される。バワが実際に食事したダイニングで朝食をとることができるというここだけでしかできない体験だ。
クリーンネス&ファシリティー:3点
ここは元々はバワが1959年に取得した建物だ。その後、隣接する3軒も取得し、増改築を繰り返して、4軒を繋げている。したがって、建物自体は古く、大きな改装もせず、バワの生前の状態をなるべくそのままにしているので傷んでいる部分もあろう。
またバワ建築の特徴である境界がない(=内と外が繋がっている)部分もあるため、外から虫などが入ってくることもあるかもしれない。実際にバワも蚊に悩まされたそうだ。
そんな不便さも楽しめるのであれば問題ない。
ホスピタリティ:3.5点
ホテルではないので、ラグジュアリーホテルのようなサービスは期待しない方が良いだろう。しかし、スタッフの方々はみな親切で、バワへの愛に溢れている。誇りをもって働いているのが伝わってくるし、バワについて語らってみたい。
センス&ユニークネス:5点
上記の通り、増改築を繰り返しているため、縦に長い独特な構造をしている。そこにバワの蒐集した数々のアンティークや調度品が並ぶ。それらが見事に部屋と調和しており、他のホテルでは味わえない唯一無二の空間になっている。
バワのくせのようなものが空間を埋め尽くしているので、万人に刺さる空間ではないが、好きな人にはたまらないだろう。もちろん私もそのひとりだ。バワが暮らしていた空間にどっぷりと浸ることができる体験はこの上ない贅沢なものだ。
予約ガイド
このホテルは複数の予約サイトで取り扱われている。使い慣れたサイトからチェックしてほしい。
※本ページにはアフィリエイトリンクを含みます。
※予約サイトの考え方はこちら
ホテル基本情報
- ホテル名: Number 11 / ナンバーイレブン
- 所在地: 国名:スリランカ、都市:コロンボ
- 滞在部屋タイプ: -
- 参考宿泊料金: 一泊あたり60,000円~
- 公式HP
その他のジェフリーバワのホテル
もしあなたが他のジェフリーバワホテルも気になっているなら、以下の記事がおすすめだ。全バワのホテルをまとめている。宿泊レビューもあるので、ぜひあなたの旅の参考にしてほしい。

終わりに&次なる旅の破片
ナンバー11、いかがだっただろうか?書いていて今すぐにでも行きたくなってきた。ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回はスリランカのルヌガンガだ。バワの別荘であり、一歩足を踏み入れただけで空気がふっと変わるような、まさにサンクチュアリ。
お届けは2024年12月28日予定だ。もし、この旅を気に入っていただけたなら、読者登録して、新しい旅の破片もそっと受け取っていただけると嬉しい。
では、また旅のどこかで。
