
ナットシェルはノルウェーの大自然を満喫しながら東西の移動ができる一石二鳥なパスだ
ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、ナットシェルを利用したノルウェー横断ガイドをお届けする。前回、ソグネフィヨルドをお届けしたが、これもナットシェルを利用して訪れた。ナットシェルは、フィヨルド観光をしながら都市の移動もできる優れものだ。実際に私のナットシェルの旅とその時に遭遇したトラブルもあわせて綴っていく。
それでは行ってきます。
ナットシェルとは?
改めて、ナットシェル(Nutshell)とは、ノルウェーのフィヨルド観光を便利に楽しむための、鉄道、バス、フェリーのチケットがセットになった周遊パスのことだ。ガイドがいるツアーではなく、あくまでもチケットのみの販売で個人で移動するものだ。

ルートは、ベルゲン発オスロ着のコースと、それと真逆のオスロ発ベルゲン着の2つがある。いずれにしてもノルウェーの東西を横断し、最大都市のオスロと第二の都市ベルゲンに立ち寄ることができる便利なコースだ。今回はベルゲン発オスロ着のコースを前提とする。
なお、所要時間は14時間程度とかなりの長丁場になるので、丸1日かかることは覚悟しておこう。
ある夏の日のナットシェル旅

早朝にホテルを後にして、ベルゲン鉄道駅に向かう。さすが雨の街。しとしとと雨が降っている。
15分も歩けば、美しい外観のベルゲン駅に到着。駅はフィヨルドを目指す旅人で混雑している。
複数の電車が停車しているので、間違いのないように乗車しよう。

ベルゲン→ヴォス(電車・所要時間:約1時間半)
電車はすべて指定席なので、指定された場所に座ろう。朝早かったのでここでひと眠り。海外の電車で眠るのは基本的にご法度だが、あまりにのどかでつい気が緩んでしまった。車窓から見える牧歌的な景色にも癒される。
ヴォス→スタルハイム(バス・所要時間:約45分)
ヴォスに着くと雨は止んでいた。ここからバスに乗り換えるが、ほとんどの人が同じバスに乗るので人の流れに着いていけば問題ないだろう。シーズンはかなり混雑しており、最初のバスに乗れなくてもすぐ次が来るので焦らなくても大丈夫だ。なお、バスはすべて自由席だ。

夏季限定でスタイハルムでフォトストップがある。渓谷を見下ろす美しい景色と澄んだ空気にほっと一息。
近くのホテルでトイレが使えるのとクッキーがもらえる。
休憩時間は短いので、バスの集合時間に遅れないようにしよう。
スタルハイム→グドヴァンゲン(バス・所要時間:約30分)
フォトストップが終わると同じバスに乗り込みグドヴァンゲンまで向かう。割と勾配のある曲がりくねった山道なので、心配な方は酔い止めを飲んでおくとよいだろう。
グドヴァンゲン→フロム(船・所要時間:約2時間)
グドヴァンゲンからフロムまでは船で移動だ。そう、この旅のハイライト、ソグネフィヨルドを船から眺めることができる。ソグネフィヨルドについては別途以下の記事を参照してほしい。雄大なフィヨルドをたっぷり満喫しよう。下記記事にも書いたが、夏でも曇るとかなり寒いので防寒対策はしっかりしておきたい。
フロム→ミュルダール(電車・所要時間:約1時間)
船旅を終えてフロムに着くと、次の移動まで2時間ほどの待ち時間がある。フロム駅には多くの屋台が出ているので、ここで腹ごしらえするのも良いだろう。公園もありのんびり過ごすことができる。
そして休憩後はナットシェルのもう一つのハイライト、フロム鉄道だ。フロム鉄道は約20kmの距離で標高差約864mを、約1時間かけて下り、雄大なフィヨルドと滝の景色を楽しめる「世界で最も美しい鉄道の旅」の一つとして知られている山岳鉄道だ。
指定席ではないが、車内は比較的空いており、ゆとりをもって座ることができる。


世界一の名にふさわしい美しい景色が続く。ゆっくりと進む鉄道の車窓からは山の合間を流れる川や滝がダイナミックに迫ってくる。
!トラブル発生!オスロまでの道が途絶える
フロム鉄道が中腹に来た頃だろうか。突如電車がとまってしまった。最初は単線だからすれ違う電車を待っていると思っていたが、アナウンスがトラブルが生じたのでしばらく停車することを告げる。しばらくしたら復旧するだろうとのんびり景色を眺めていたのだが、30分経っても動かない。次にミュルダールからオスロまでの電車に合うのか不安になっていると、再びアナウンスが。
「技術上のトラブルで、これ以上進むのは危険と判断しました。したがって、フロム駅に引き返します」
この時点で、オスロ行きの電車に間に合わないことが確定した。最悪今日中に、オスロに行けない可能性もありそうだ。困った。しかしどうしようもない。引き返すために動き出した鉄道で意気消沈としながら窓の外を見た。こんな時でもノルウェーの自然は美しい。
代替輸送:フロム→オスロ(バス・所要時間:約7~8時間)
フロム駅に戻ってくると駅員さんからアナウンス。
「代替輸送のバスを探していますがまだ見つかりません。しばらく待機してください。」
バス?ここから?オスロまで?正気か?
最初に乗せた地図を見てほしい。フロムは、ノルウェーの中央から西よりに位置する。ここからオスロまでバスはものすごく遠いことは容易に想像がつく。なお、通常であればミュルダールからオスロまでは鉄道で移動するのだが、5時間ほどかかる。つまり電車で6時間(フロム→ミュルダール→オスロ)かかるところをバスで輸送すると言っている(しかもバスはまだ見つかっていない)のだ。
いやしかし、代替輸送してくれるだけでも有難いのかもしれない。しばらくすると、バスが手配できたというアナウンスが。これでなんとかオスロまでは行けそうだ。
「バスは一度に全員は乗れないので2台に分かれます。2台目は1台目の1時間後です。1台目は早いもの順です。」
と言われたので、みな我先にと急いで並ぶ。私も何とか1台目に乗れることに。基本的に、マナーが良い方が多く、きちんと列で並んでいた。
大変だったが、バスの手配はもちろん、お水を配ってくれたり、誠実な対応だったと思う。
そして、無事に代替バスに乗りオスロへ出発。

バスに乗っていたのは、7~8時間くらいだっただろうか。バスにトイレがないので、ひたすら寝て尿意をがまん(一度トイレ休憩ストップがあったが、トイレが閉まっているという。。)。
ようやくオスロ到着
オスロ到着したのは深夜1時。当初より3時間ビハインドといったところで、思ったよりも早く着いた(バスは結構飛ばしていたと思う)。深夜のオスロの街は静まり返っていて、人気はほとんどなかったが、危険は感じることはなかった。せっかくなのでホテルまでの30分を徒歩で歩いてみたが、これはこれで楽しかった。こうして、ようやく長い1日が終わった。

以上が、ナットシェルのルートだ。オスロ発の場合はこれと逆になるだけでルートは同じだ。今回トラブルがあったが、基本的には快適に移動できるはずだ。迷うようなこともない。乗り換え時間が短い箇所があるので、美しい景色に心奪われ乗り過ごすことがないようにだけはしたい。
ナットシェルの購入方法
ナットシェルでフィヨルド観光を考えている方は、ベルトラでの購入が日本語でわかりやすいだろう。なお、今回はトラブルがあったが、時々こういうことはあるとノルウェー在住の方がおっしゃっていた。
終わりに&次回予告
ナットシェルの旅、いかがだっただろうか?
トラブルも振り返れば良い思い出だ。ノルウェーを訪れた際はぜひトライしてみてほしい。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回は日本の長野にある「ホテル ドゥ ラルパージュ」だ。
前回は冬に訪れたが、今回は初夏に訪れた滞在をお届けする。
配信は2025年12月6日予定だ。
できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。



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