ごきげんよろしゅう。ホテル偏愛家のシングルマンだ。自身の審美眼に従って世界の美しいホテルを巡り、その旅の破片を記している。
今回は、フランスのパリにあるホテル「ウヌ・オートル・シャンブル」の滞在レビューをお届けする。ここを選んだのは、HPから感じた美意識だ。部屋やレストランが美しいなと感じたのはもちろんなのだが、その写真の構図やノスタルジックな色味がとても好みで泊まってみたくなった。
それでは、行ってきます。
旅のフラグメント
思想家たちの囁きが、古い壁に染みこんでいる
小さな寝室は、ひとつひとつ女性たちの物語をまとっている
真夜中の路地の静けさに、彼女たちの夢の続きを見つけてしまう
ならば自分の秘密もこの部屋に預けてみようか

長旅を終え、空港に到着。
疲れた身体をタクシーに預け、まっすぐホテルへ。
マレ地区にひっそり佇むえんじ色のエントランス。
フレンドリーなスタッフに迎え入れられ、心がほどけていく。

グリーンが印象的な部屋は細部までこだわりが感じられる。
枕の置き方ひとつにも感じる美意識。
部屋は広くないが、不思議と窮屈さはない。
その心地よさに、そのまま沈み込むように眠りに落ちてしまった。


ぐっすり眠って目覚めるとすっかり身体が軽い。
窓を開けると紛れもなくパリにいるのだと再認識する。
熱いシャワーを浴びて朝食へ。
昨日何も食べずに寝たからぺこぺこだ。


赤を基調にした開放的な空間。
テーブルに生けられた花。
大きな窓から眺めるパリの朝。
そしてシンプルながらとびきり美味しい朝食。
朝7時のレストラン、ひとりだけの贅沢な時間。
街を眺めているとキッチンから美味しそうな匂い。
「焼きたてのキッシュを召し上がれ」とマダム。
思い描いていた通りのパリの日常。






過ごせば過ごすほど、馴染んでくる、そんなホテル。
それはきっと、パリでの暮らしそのもの。
Season – Autamn, 2025
Room Category – Chambre Double “Confort”
シングルマンシュラン🌟🌟🌟🌟— 8.7 / 10 Outstanding
シングルマンシュラン定義
🌟🌟🌟🌟🌟: その国/地域に行く目的になるホテル
🌟🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は泊まりたいホテル
🌟🌟🌟 : その国/地域を訪れた際は候補の1つとして検討したいホテル
🌟🌟 : その国/地域を訪れた際に他に候補がなければ選んでもよいホテル
🌟 : その国/地域を訪れても選ばないホテル
※詳細な評価基準についてはこちらを参照してほしい。
※これまで訪れた全ホテルのレビュースコアをまとめたものはこちらを参照してほしい。
パリの雰囲気を存分に感じることができる素晴らしいプティ・ホテル。ラグジュアリーホテルのようにパリの日常から完全に隔てられているのではなく、パリの生活にも近いのも魅力。スタッフはフレンドリーでゲストを友人のようにもてなしてくれ、まるでパリのアパルトマンで暮らしているような気がしてくる。そして、そのセンス。どこを切り取っても絵になる空間をぜひ味わってみてほしい。センスの良い友人におすすめのホテルを聞かれたなら・・・ここを教えておけば外さない。今回は2泊の滞在だったが、今度はもう少し長めにとって暮らすように滞在したい。
評価詳細(各5点満点)
コストパフォーマンス:2.5点
やはりパリ、特に中心地は非常に高い。14平米の部屋で、1泊5~6万(朝食付き)だったので、東京と比較しても割高だと感じる。ここのホテルは4つ星だが、ど真ん中からは少し離れている(3区)ので1区や2区の4つ星と比べるとまだリーズナブルだったように思う。円安が憎い。
アクセス:4点
メトロ11番線のArts & Métiers(アール・ゼ・メティエ)駅からわずか50mと非常に便利な立地。大通りから1本中に入っているので、そこまで騒がしさもない。窓の開けていると外の声が聞こえるが、夜は静か。夜中に出歩いていたが治安面も特に問題なかった。
3区にあり、マレ地区もすぐそばなので、美味しいレストランや買い物にも事欠かない。少し歩けば、サント・シャペルやノートルダム大聖堂あたりの観光地へも問題なく行ける距離だ。
ソロフレンドリー:4点
comfortとsuperiorカテゴリーは決して大きくないので、むしろ一人で静かに自分の時間を過ごしたい方に向いている(二人だと多少窮屈かもしれないので、deluxe以上を選択するのがよさそう)。
実際に一人で滞在されているであろうマダムにレストランで遭遇したが、静かに本を読んでいらしてとても素敵な雰囲気だった。目が合うと、にっこり微笑んでbonjourと挨拶してくださった。それだけで、良い旅の思い出になるよな。部屋の数も17部屋と小規模なので、ホテル内はとても静かだ。客層も落ち着いている。
キュイジーヌ:4点
朝食を利用(なお、ディナーは提供していない)。
ブッフェスタイルだが、これが美味しい。5つ星のホテルにも負けていないと思う。パン以外はすべてホテルで手作りしているのだとフレンドリーなシェフの女性が教えてくれた。焼きたてのキッシュやブルスケッタがお気に入り。近所のブーランジェリーで仕入れているというパンもとても美味しくて、パリで色々パンを食べたが、ここのクロワッサンはバターたっぷりでとても好みだった(どこのパンか聞きそびれてしまった!)。ぜひ朝食付きプランを!
クリーンネス&ファシリティー:4点
例えば、エレベーターはあるが、一人しか乗れないし、部屋はスーツケースをなんとか開けられる程度(もちろんスイートは別だ)だし、不便さは感じるかもしれないが、これがパリらしさでもあるのだ。パリは不便さをいかに愛せるかだ。
ホテル自体は新しいため、美しいし、掃除も行き届いている。なお、バスタブはない(スイートもシャワーのみ)ので、バスタブが必須の方は、注意。とはいえ、パリはバスタブありのホテルはかなり限られるが。アメニティはフランス発で日本でもおなじみのクラランスだ。
ホスピタリティ:4点
スタッフは多くないので、何日か滞在すれば顔馴染みのスタッフもできるだろう。過剰なホスピタリティはないが、みな親切で素敵な雰囲気の方が多かったし、ちょっとした雑談も楽しい。「そのスーツケースめちゃいけてるね」とか「Nikonのカメラ!写真見せてよ」とかまっすぐに嬉しい言葉を伝えてくれる。
そして、今回、自分のバースデーを祝う一人旅だったのだが、部屋に入った時に置いてあったメッセージカードがとても良かった。一部を引用してみる。
”Cerebrate yourself, toast with a glass of champagne, and make beautiful memories in a place that feels like home. With our warmest wishes for your birthday(心ゆくまでご自身を労わり、シャンパンで乾杯し、まるで我が家のようなこの場所で、素敵な思い出を作ってください。お誕生日、心よりお祝い申し上げます)”
cerebrate yourselfって言葉がものすごく洒落てる。そしてもちろん、シャンパーニュもいただけた。自分のバースデーは自分自身で祝ってやらないとな。ありがとう。
センス&ユニークネス:4点
「La Chambre Du Marais」を手がけた創立者による新たな“家族の家”として設立され、ホテル名は、フランス革命期の女性思想家オランプ・ド・グージュの足跡に由来し、各部屋は彼女やコレット、ルイーズ・ミシェル、シモーヌ・ヴェイユらの人生に敬意を表す設計意図が込められており非常にユニーク。
私の滞在した部屋は、アレクサンドラ・ダヴィッド=ネールの名が冠された部屋。彼女は”チベットの首都ラサに初めて到達したヨーロッパの女性”として知られ、オペラ歌手から探検家になった人物だ。マリアージュフレールの紅茶やルイヴィトンの財布にも彼女の名前がつけられた商品があることからも、フランス女性に与えた影響は大きいのだろう。
もちろん、名前の数だけ内装も異なり、どの部屋もクラシックで華やかな雰囲気にまとめられている。希望の部屋があればリクエストしておくとよいだろう。私は、リクエストはしていないが、HPで見ていた緑の部屋がよいなぁと思っていたら念力が通じたのか、その部屋をアサインしてもらえた。常人がやったら大失敗しそうなものをセンス良く仕上げているのはさすがパリである。
ウヌ・オートル・シャンブルが気になるあなたに向けた予約方法
ウヌ・オートル・シャンブルのことが少しでも気になっていただけたら嬉しい。そんなあなたのために私のおすすめの予約方法を記しておきたい。
ホテル偏愛家の私が選ぶベストな予約サイト、それはBooking.comだ。様々な予約サイトを実際に利用・比較し、その①利便性、②安全性、③価格の観点から判断したもので、私の旅にも欠かせない存在になっている。比較できるように主要な大手予約サイトのリンクを載せておくので、あなたの好みに合うものを選べば良いが、もし決められないということであれば、Booking.comを選んでおけば間違いないだろう。下記、各サイトのロゴをクリックすれば直接ホテルページにアクセスでき、簡単かつお得に予約ができるので、ぜひ利用してほしい。




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ホテル基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ホテル名 | Une Autre Chambre(ウヌ・オートル・シャンブル) |
| プライスカテゴリー | ミドル |
| 客室数やタイプ |
全17室 |
| 食事 |
朝食あり(コンチネンタル&ブッフェ)。 オーナーが手作りで提供、地元のパン・果物・チーズなど。 |
| チェックイン/チェックアウト時間 | チェックイン:15:00〜/チェックアウト:〜11:00 |
| 特徴的な設備やサービス |
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| 所在地 |
3 Rue Bailly, 75003 Paris, France |
| アクセス |
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終わりに&次回予告
ウヌ・オートル・シャンブル、いかがだっただろうか?パリのエッセンスをぎゅっと詰め込んだような滞在だった。ホテルのみなさま、迎えてくださってありがとうございました。
この記録があなたの旅の参考になれば嬉しい。

さて、次回はフランス・パリのダイニング「Les Enfants Rouges」だ。ここは、日本人が経営するパリのフレンチ。
お届けは2026年5月2日予定だ。できれば、お気に入り登録して楽しみに待っていただけると執筆も頑張れる。
それでは、また次回お会いしましょう。

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